非タンパク質コードRNA(ncRNA)獲得と機能化が近傍遺伝子の発現スイッチを多様化しうる、という仮説を検証した。ほ乳類5種(チンパンジー・マカクザル・マーモセット・マウス・ラット)の5組織を用いた比較トランスクリプトーム・エピゲノム解析から、pancRNAと命名した遺伝子プロモーター近傍から発現する機能ncRNAの新種を4000以上発見し、遺伝子活性化に働くこと及びそのDNA配列上の特徴を明らかにした。種にしたがった固有のpancRNAレパートリーが存在し、それらが共通して遺伝子活性化機構を駆動することで、種特異的な遺伝子発現制御ネットワークが実現していることが明らかになった。
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