研究課題/領域番号 |
24380159
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木曽 康郎 山口大学, 獣医学部, 教授 (10142374)
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研究分担者 |
日下部 健 山口大学, 獣医学部, 准教授 (20319536)
加納 聖 山口大学, 獣医学部, 准教授 (40312516)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胎盤 / 栄養膜 / 流産モデル / p53 / MAPLC3 / オートファジー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,胎盤における免疫回避機構、特に母子境界領域におけるサイトカインの動態と役割を明らかにすることである。そのために,自然流産モデルおよび実験流産モデルにおいて,母子境界領域におけるp53遺伝子群およびMAP1LC3ファミリーに関する遺伝子群の発現に関して調べた。 p53は各部位間、各日齢間での変動は見られなかったが、胎盤完成期であるD14においてLC3Bが増加する傾向にあり、逆にLC3Cでは減少する傾向にあることを明らかとした。LC3Aについては全日齢で基底脱落膜部での発現が有意に高かったことから、D14における栄養膜侵入制御にLC3Bを介するオート―ファジーが関与していること、脱落膜の恒常性維持にLC3Aが関与していることを示した。 絶食したマウスを用いて,栄養欠乏状態の胎盤におけるLC3ファミリー、オートファジー関連因子の変動を調べた結果、LC3ファミリーの中で、LC3Bが絶食により誘導されたオートファジーに関連して特異的に増加することを明らかとした。また、D12,14,16において絶食により変動したオートファジー関連因子に差が見られたことから、胎盤血管系の構築、胎盤完成度の違いや胎子栄養要求量の違いなどでグルコース不足の程度に差があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MAPLC3ファミリーの動態を明らかにしたことは大きい成果であったが,LC3AおよびLC3Cの関与の解明が不十分である。絶食による胎子発育遅延モデルを用いたが,その他のモデルを検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
p53欠損モデルを入手したので,これを用い,MAPLC3ファミリーの動態をさらに明らかにする。胎盤腫瘍部位,すなわち迷路部,基底脱落膜,間膜腺各部位を分離して実施する必要がある。他の成長因子,特に胎盤成長因子との関連を明らかにする必要がある。
また,胎子発育不全を示す高血圧モデル,糖尿病モデルなどの疾患モデルで検討することも視野に入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定した器機が,学部内で整備されたため,不要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
新規動物疾患モデルの導入および新しく始める遺伝子関連試薬の購入に回す。
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