研究課題/領域番号 |
24380162
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木村 享史 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 准教授 (90261338)
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研究分担者 |
佐々木 宣哉 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (20302614)
大西 なおみ 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 助教 (50507217)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ヘルペスウイルス / ウマ / レセプター / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
ウマヘルペスウイルス1型(EHVー1)レセプターであるウマMHCクラス1分子をEHV-1標的細胞に強発現するトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製し、新たなEHV-1感染モデルとして確立する目的で、平成24年度は以下の実験を行った。 全ての細胞にウマMHCクラス1分子(クローンA68)の強発現を誘導する遺伝子発現ユニット(CAG-A68-B2M)と、組織特異的なウマMHCクラス1分子の発現を可能とする遺伝子発現ユニット(CAG-loxP-Stop-loxP-A68-B2M)の作製を行った。CAG-A68-B2Mユニットの作製に当たっては、培養細胞にユニットを導入し、ウマMHCクラス1分子の発現効率を指標として、エピトープタグの挿入部位を検討した。また、発現したウマ囲Cクラス1分子の検出感度を指標として、エピトープタグの種類を比較検討した。検討の結果、ウマMHCクラス1重鎖遺伝子に付加するタグを当初予定していたHAからV5に変更し、またウマβ2ミクログロブリン遺伝子の3'端に付加する予定であったmycタグを削除したユニットが、適切であると判断された。CAG-loxP-Stop-loxP-A68-B2Mユニットに関しては、Cre/loxPシステムによる部位特異的組換えの効率を指標とし、loxP間に挿入するStop配列の種類を比較検討した。検討の結果、Stop配列としてはSV40に由来する転写終結シグナルのタンデムリピートが適切であり、また当初loxP間に挿入を予定していたEGFP遺伝子に関しては、その発現がTgマウスに必須のフェノタイプではないため、削除するのが妥当と考えられた。 以上の検討を経て最終的に調整した遺伝子発現ユニット2種類をBDF1マウス受精卵に導入し、受精卵移植マウスより産仔を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における遺伝子組換え実験は大臣確認実験に相当する。マウス受精卵への遺伝子導入と胚の移植を委託した外部機関において、大臣確認に予想以上の時間を要したため、Tgマウスの作出開始に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
受精卵移植マウスより産まれた仔マウスにおける導入遺伝子の有無ならびに遺伝子発現を確認する。ラインを選別後、BALB/cマウスをレシピエント系統とし、スピードコンジェニック法によって系統化を開始する。バッククロスの終了は、平成26年度内を予定している。また、当初の予定通り、平成25年度にはCAG-A68-B2Mを導入したTgマウス(A68-B2Mマウス)へのEHV-1 Ab4株の感染を行い、病態を詳細に解析すると共にウイルス持続感染部位を同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
委託先機関における遺伝子組換え実験の大臣確認に時間を要したため、Tgマウスの作出に遅れが生じた。これに伴ってTgマウス作出費の支払いが平成25年度となり、また、Tgマウスの選別とバッククロスに必要な消耗品費を平成25年度に持ち越したため、当該助成金が発生した。Tgマウスの選別とバッククロスの開始に伴って当該助成金は速やかに使用される。また、当初の研究実施計画に基づき平成26年度の研究が実施され、同年度に計上された経費が使用される予定である。
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