研究概要 |
H25年度は神経病原性株である01c1と非神経病原性株である90c16の相違遺伝子を交換したウイルスを作製し,その性状比較を目的とした. 1. EHV-1組換えウイルス,01c1(C52903T), 01c1(C121195G, C121196G, G141069C, G141070C), 90c16(T52903C), 90c16(G121347C, 121348C, C141154G, C141155G)を作製した.これらのうち01c1(C52903T)および90c16(T52903C)はORF30の変異体である.他の2株はORF65の変異体である.ORF65はウイルスゲノム上に2コピー存在するため,作製が困難であり,年度末にようやく得ることができた.そのため,性状解析は次年度に実施することとした. 2. 神経病原性株01c1のウイルス遺伝子転写動態解析を行った.全ての転写単位について転写開始点を同定できた.この解析により,転写開始は特定の塩基というよりは,数塩基からなる転写開始領域からなされること,感染後の時間経過にともない,転写開始領域が増加することが明らかとなった.あわせて,ウイルス感染にともなう,宿主細胞の転写動態の変化もとらえることができた.
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