研究実績の概要 |
1)CDVのH蛋白に対するMAb 4種類、F蛋白に対するMAb 5種類の作製に成功した。これらのMAbは複数のウイルス株に対して異なる反応性を示した。2)KDK-1感染を中和するH蛋白認識MAb 2H12は、Onderstepoort株に対して、間接蛍光抗体法で反応するにも関らず、中和活性を示さなかった。3) KDK-1に対して中和活性をもつ4つのH蛋白認識MAb、2H12, 3D5, 3G5, 3G7に対する中和回避変異体した。2H12に対する中和回避変異体は531番目のアミノ酸に変異が認められた。3D5, 3G5, 3G7に対する中和回避変異体は21番目と240番目のアミノ酸に変異が認められた。更には、2H12, 3G5両方に対する中和回避変異体の作製した結果、241番目と531番目のアミノ酸に変異が認められた。4)それぞれの変異部位を導入したH蛋白発現プラスミドを構築した結果、2H12は531番目を、3D5, 3G7, 3G5は240番目を含むエピトープを認識することが確認された。5)国内の犬から検出されたCDVはワクチン株を除いてほぼすべてが549番目のアミノ酸が犬型であった。しかし、ハクビシンから感染したと推測された犬から検出された遺伝子はH549Y変異があり、野生動物型であった。6)ベトナムの犬からCDVの分離に成功し、Asia-1型であることが判明した。7)ベトナムの下痢を呈した犬20頭中13頭からCDV遺伝子が検出され、132頭中56頭からCDVに対する抗体が検出された。8)CDV#7株を接種した犬の3頭中1頭が急性感染で死亡した。残り2頭は感染後120日経過した現在もウイルスを糞便中から排泄していることが判明した。
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