研究課題/領域番号 |
24380168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 あかね 東京農工大学, 農学研究院, 教授 (80418673)
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研究分担者 |
岸本 海織 東京農工大学, 農学研究院, 講師 (50588960)
松田 彬 東京農工大学, 農学研究院, 助教 (90613969)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 獣医学 / 腫瘍 / ストレス応答 / 低酸素 |
研究概要 |
本研究では、伴侶動物臨床でよく遭遇する肥満細胞腫が酸素および栄養飢餓でも生き残る理由を、ストレス応答や細胞内代謝から分子生物学的に解析し、肥満細胞腫細胞の生き残り機構を明らかにして、新たな治療標的を提起することを目的とする。具体的には、低酸素・低栄養の微小環境における肥満細胞腫細胞の生き残りに重要な役割を果たす分子メカニズムを解析している。 1)低酸素・低栄養環境での培養と網羅的解析 イヌおよびヒトやげっ歯類の肥満細胞腫細胞に関して、様々な飢餓ストレス応答タンパクの発現動態とその相互作用を調べたところ、細胞の生存や活性化には大きな変化が認められなかったが、細胞内サイトカインの発現において血管内皮細胞増殖因子(VEGF)やインターロイキン4の発現が増加することが明らかになった。このことは、増殖する腫瘍の局所で低酸素環境が発生した時に、VEGFを産生して血管を組織内に誘導する可能性を示している。また、イヌ肥満細胞腫の中には、増殖因子であるstem cell factorを自己産生することで増殖が誘導されているものが存在し、新たな肥満細胞の増殖機構はイヌ症例から採取した肥満細胞腫組織においても確認された。このSCF自己産生は、PI3シグナル系などを介して誘導されていた。 2)低酸素反応性因子の検出 イヌ及びヒトの造血系悪性腫瘍細胞株を正常酸素濃度下または低酸素濃度下で培養し、低酸素反応性因子(HIF)の発現や関連遺伝子の発現動態を調べたところ、肥満細胞におけるHIFの発現はやや増強するもののその発現強度は他の細胞と比べ高くなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肥満細胞の低酸素環境下におけるいくつかの変化を初めて明らかにし、すでに研究成果の一部について論文および学会発表を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き低酸素環境下における肥満細胞の生存や機能変化について分子生物学的に解析し、肥満細胞の新たな機能を明らかにするとともに、腫瘍性増殖の標的分子を探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
備品として購入した軟エックス線装置の割引により、14,015円の残金が生じたが、平成25年度には試薬などの購入費用として使用する予定となっている。
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