研究概要 |
1.基礎研究―DJ-1によるパーキンソン病発症機構の解明 1)ドパミン小胞形成、分泌とDJ-1―DJ-1によるVMAT2遺伝子の転写活性化機構 DJ-1はVMAT2に直接結合、また、VMAT2遺伝子の転写活性を促進することによりドパミン取り込みを促進することを見いだした。過剰ドパミンをドパミン小胞に取り込むことにより、ドパミンによる酸化ストレスを防御していた。 2)ミトコンドリア制御因子としてのDJ-1 パーキンソン病患者に見られるDJ-1変異体は、ミトコンドリアにモノマーとして移行することを明らかにした。 3)DJ-1の酸化ストレスシグナル伝達経路 DJ-1は酸化ストレス依存的にP53のDNA結合ドメインに結合し、P53転写活性を抑制することで、p53の酸化ストレス依存的なアポトーシス誘導を抑制することを明らかとした。 4)ドレブリンとの結合を介したDJ-1シナプス制御機構 DJ-1はスパイン形成関連タンパク質ドレブリンと結合し、スパイン形成を促進することを明らかにした。 II.創薬研究―新しい概念に基づくDJ-1結合化合物による神経変性疾患治療薬の開発 1)DJ-1結合化合物B,23の作用機作:DJ-1結合化合物は酸化ストレス付加時にAkt経路を活性化し、Akt→Nrf2を介して抗酸化ストレス遺伝子群の活性化を行うことを明らかとした。 2)DJ-1結合化合物B,23の構造活性相関:DJ-1結合化合物B,23の構造改変を行い、活性の高い)HT2,HT5を得た。
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