研究課題
本研究では、視覚系のON OFFメカニズムについて解析を行うことにより、コントラストの形成に関わる初期視覚系の応答メカニズムを、分子・細胞・組織・機能といった面から多角的に解析することを目的としている。本年度は初期視覚系の視覚応答解析メカニズムに関しては、中枢神経系網膜を用いた電気生理学的解析も進み、何種かの遺伝子改変動物網膜で検出された特徴的なシグナルの発生由来をほぼ同定することができた。また、得られたデータを解析するための情報処理法の確立がほぼ終了し、現在得られているデータの厳格なソーティングと解析がほぼ終了した。また、網膜自体の免疫組織染色の結果もほぼ終了した。得られた結果に関するシミュレーション解析と比較検証に関しては一旦終了しているが、さらなる解析を現在継続しているところである。また、特定の細胞における機能を欠損させるための遺伝子改変マウスを用いた解析を行う予定としているが、一部マウスの作製に遅れが生じているため、本研究自体を延長申請している。実際にマウスが視覚刺激を認知しているかどうかを解析するための、新規視覚応答解析装置を確立していたが、装置の改良を終了し、短期間で視覚応答解析ができる系とすることができた。本装置を用いては、すでに視覚の時間分解能の解析を行っている。極限法に加えて恒常法においても解析を行い、その評価が終了した段階であるが、初期視覚系と認知という観点から、複合的な実験系を行う予定としており、現在継続中である。
3: やや遅れている
一部の遺伝子改変マウスの作製に遅れが出ている。
網膜ON型双極細胞発現遺伝子発現メカニズム解析およびマウス作製をこのまま進める。行動解析に関しては、遺伝子改変動物を用いた解析を行うことにより、初期視覚系と視覚応答との関係のシミュレーションモデル作製に進む予定である。様々な視覚イメージを用いた解析を予定している。
遺伝子改変マウスのESスクリーニングが上手く行かず、次の段階に進めなかった。
遺伝子改変マウスの作製およびそれに伴う実験試薬代などに適用する。
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PLOS ONE
巻: 11 ページ: 1-13
10.1371/journal.pone.0156033