研究課題/領域番号 |
24390021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
村上 誠 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, プロジェクトリーダー (60276607)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分子生物学 / ホスホリパーゼ / ノックアウトマウス / リン脂質 / 脂肪酸 / 酵素 / 生体分子 / 遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、未だ機能オーファンであるホスホリパーゼA_2(PLA_2)分子種の生体内機能を解明することを目的とする。 (1)sPLA_2-IIE:classical sPLA_2で唯一オーファンのsPLA_2-IIEが脂肪過剰摂取により脂肪細胞で著しく発現誘導されることを見出した。高脂肪食負荷したsPLA_2-IIE欠損マウスでは脂肪組織と肝臓への脂肪の蓄積が有意に減少したが、インスリン抵抗性や脂肪組織炎症には変化がなかった。欠損マウスでは血漿リポタンパク質が減少していたことから、sPLA_2-IIEはリポタンパク質のリン脂質に作用していることが予想される。 (2)sPLA_2-XIIA:機能未知のatypical sPLA_2であるsPLA_2-XIIAがin vitroでの破骨細胞の分化に伴って発現誘導されることを見出した。破骨細胞にsPLA_2-XIIAを過剰発現させると、酵素活性依存的に破骨細胞の分化が促進した。sPLA_2-XIIA欠損マウスではin vitroの破骨細胞分化が遅延した。更に、sPLA_2-XIIA欠損マウスではマスト細胞依存的な局所アナフィラキシー反応が軽減した。 (3)iPLA_2δ2:iPLA_2δ2は代謝組織(脂肪肝臓筋肉)の主要なリゾホスホリパーゼであることがわかった。iPLA_2δ2欠損マウスは矮小化、背骨湾曲、歩行運動異常、短命、体脂肪減少、脂肪肝などの老化の表現型を示し、生後3ヶ月までに死亡した。欠損マウスの肝臓ではリゾホスホリパーゼ産物であるグリセロホスホコリンの量が著しく減少し、更にその下流のコリン代謝経路が大きく乱れており、これが表現型の主要因と考えられた。 (4)iPLA_2ε2:iPLA_2ε2は皮脂腺に発現し、皮脂腺肥大と発現レベルが相関することを見出した。iPLA_2ε2の皮膚特異的過剰発現マウスを作出したところ、加齢に伴い高頻度で白内障を発症することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4種類の酵素の欠損マウスにおいてそれぞれ特徴的な表現型を見出し、その発症メカニズムの解明を進めていることから、おおむね順調と評価できる。sPLA_2-XIIA欠損マウスを用いた実験がバッククロスの必要性からやや遅れ気味であるが、次年度以降はバッククロスが終了することから、個体を増やして解析を展開できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、欠損マウスおよび作出中のconditional欠損マウスを用いて研究を推進する。sPLA_2-IIE、iPLA_2δ2についてはデータが揃ってきたことから、次年度中に論文発表を視野に入れる。
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次年度の研究費の使用計画 |
sPLA_2-XIIA欠損マウスについてはバッククロスに時間を要したため、初年度から予定していたvivo実験のための経費を次年度以降に使う。その他の欠損マウスについては、当初計画に添って研究費を使用する。
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