研究課題/領域番号 |
24390027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
南川 典昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40209820)
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研究分担者 |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50325271)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | RNAi創薬 / 4'-チオDNA |
研究概要 |
本研究課題では、short-hairpin RNA (shRNA)を持続的に発現可能な人工ミニプラスミドを創製し、これを利用したRNA干渉(RNAi)機構による遺伝子発現抑制の新しい方法論を確立する。人工ミニプラスミド創製を実現するために、1)配列の最小化のためのdSNTPを用いたPCR条件の最適化、2)人工塩基対を利用した二本鎖4'-チオDNA末端部選択的な官能基化、さらに3)導入した反応性官能基間でのクリックケミストリーを用いた環状化を検討し、これを利用したがん治療薬創製の基盤技術を確立する。 平成24年度は、dSNTPを用いたPCRによって4'-チオDNAを増幅させることに成功した。さらにこの方法を利用してshRNA発現プラスミドからshRNA発現に必要な部分だけを4'-チオDNAとして増幅させた。調製した人工ミニプラスミド(プロトタイプ)をHeLa細胞にトランスフェクションし、デュアルルシフェラーゼアッセイにより遺伝子発現抑制効果を調べたところ、期待通り細胞内でshRNAが発現しルシフェラーゼの発現が抑制されることが明らかとなった。またこの人工ミニプラスミドの遺伝子発現抑制効果はdSCを含むもので最も強く、更にトランスフェクション後、72時間で最大となり、その効果はsiRNAとほぼ同じであった。 人工ミニプラスミドは、RNAi効果の持続性だけでなく、免疫応答回避能を有していることを期待している。そこでマウスに投与し、自然免疫応答の活性化によって産生する炎症性サイトカイン量をELISAにより測定した。その結果、炎症性サイトカインは全く誘導されないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、dSNTPを用いたPCRによる4'-チオDNAの増幅、それを用いたshRNA発現に由来する遺伝子発現抑制、さらに4'-チオDNAで調製した人工ミニプラスミドが自然免疫応答を全く誘導しないことが確認できた。これにより平成24年度の研究計画をすべて達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
人工ミニプラスミドによる遺伝子発現抑制効果を増強、持続させるために両末端を結合させ、環状化させる手法を確立させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度繰越しの直接経費が27,684円発生したが、これは消耗品の値引きによって発生した差額であり、また経費の総額から考えると僅かである。また平成25年度の消耗品費として使用する目処があり、研究計画が変更されることはない。
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