研究課題
昨年度に得られた有望候補化合物をもとに、標的タンパク質同定のためのプローブ設計を行うべく、リンカー導入部位の検討を行ったところ、芳香環及びビグアニド基にアルキル基を導入した場合には、低栄養選択毒性及びUPR阻害活性、HIF-1阻害活性が消失することが判明した。一方、二級アミノ基にアルキル基を導入した場合には、活性は減弱したものの、いずれの生物活性も認められたことから、リンカー導入部位として二級窒素を選択した。そこで、二級窒素基にリンカー接続の足がかりになる種々の置換基を導入した化合物の合成を達成した。今後は蛍光タグ、またはビオチンタグ及びマグネティックビーズとの縮合を行い、低栄養ストレスで誘導した細胞エキス等を用いて標的探索を実施する予定である。我々が開発した二価鉄蛍光プローブイメージングにより、がん細胞において低酸素ストレス下で二価鉄イオンが増加することを見出したことから、低酸素における鉄の輸送、代謝にかかわる種々のタンパク質の発現変動について解析を行っている。さらに、Scutellaria barbata(半枝蓮)エキスの分画により、種々のフラボノイドの単離を達成した。がんの代謝リプログラミングを標的とする癌治療薬の開発を目指して、これらの分画及び化合物のスクリーニングとして、がん細胞の解糖系エネルギー代謝による乳酸発生量とミトコンドリアの酸化的リン酸化による酸素消費量の解析を行っている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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