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2012 年度 実績報告書

MHC発現量を考慮した薬剤性肝障害の増悪・劇症化予測のための基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 24390037
研究種目

基盤研究(B)

研究機関千葉大学

研究代表者

伊藤 晃成  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (30323405)

研究分担者 関根 秀一  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (70401007)
高田 龍平  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90376468)
本間 雅  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401072)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード薬剤性肝障害
研究概要

本研究課題においては、臨床での発現頻度、発症時期、ならびに重症化への進展に関して予測困難な薬剤性肝障害(DILI)の発症メカニズムとして免疫担当細胞への肝細胞による抗原提示能力の変化に注目している。すなわち肝細胞は生来の性質として薬物代謝能力が高い一方で抗原提示に関わるMHC発現量が他の体細胞に比べて低いこと、何らかの理由で肝細胞におけるMHC発現が誘導されることでDILIが増悪するのではないかという仮説を立てて、これを実験的に検証していくものである。今年度は実験に関わるツール作成と臨床データの調査を並行して行なった。以下にはこれまでデータの得られている後者に関して概要を述べる。東大病院に入院中の患者(DILI患者54名、非DILI患者94名)においてDILI発症のリスクと関連する臨床検査値等を網羅的にカルテ調査した。その結果、炎症性マーカーであるCRPと、性別がリスクと関連することを示唆するデータを得た。炎症性マーカーがDILI発症と関わる点については、別集団を対象に行なった以前の我々の結果ならびに、in vitro初代培養肝細胞において炎症性サイトカイン類を暴露することで薬物による細胞障害が増強することと合致する結果となり、あらためて炎症とDILIとの関連性を強く示唆することができた。現時点でCRP、性別ともに抗原提示能力とどのような関連性を有するかは不明であり、今後、炎症背景と肝細胞表面上のMHC発現量変化、さらには外来性にMHC分子を高発現させた実験動物においてDILI発症・増悪にどのような影響が見られるかについて現在作成を試みている実験ツールを利用した解析を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に作成を予定していた実験ツールであるMHC発現アデノウィルスの構築がH24年度末の時点で完成に至っていない。

今後の研究の推進方策

H25年1月より研究代表者が研究機関異動したことによる物理的影響も一因と考えられるが、この点においては研究室の立ち上げがひと段落し、環境も整備されてきたことから、初年度に予定していながら未完成のアデノウィルス構築に向けて努力をする。

次年度の研究費の使用計画

前年度に予定していたアデノウィルス構築に向けた研究を継続して行い、必要な経費は次年度使用予定額として記載した分を利用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Establishment of a novel method to assess risks of DILI development2012

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Ishida, Yuki Ikebuchi, Masashi Honma, Kousei Ito, Hiroshi Suzuki
    • 学会等名
      第27回日本薬物動態学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-11-20
  • [学会発表] 医療現場における薬剤性肝障害発症予測バイオマーカーの探索:育薬・創薬への還元を目指して2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤晃成、本間雅、鈴木洋史
    • 学会等名
      第20回クリニカルファーマシーシンポジウム・医療薬学フォーラム2012
    • 発表場所
      福岡(招待講演)
    • 年月日
      2012-07-14

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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