研究課題
基盤研究(B)
近年、ペプチド・蛋白質・核酸医薬品等の画期的バイオ医薬シーズが創製されつつあるものの、バイオ医薬は生体膜透過性に乏しい上に消化酵素によって分解されやすく、多くのバイオ医薬が注射による投与を余儀なくされている一周知のように、経皮投与は理想的な投与方法として注目されているものの、元来、皮膚は外部環境から生体内部環境を保護するバリアとして機能しており、ここに経皮投与薬創製の難しさがある。本研究では、独自の生体バリア制御研究基盤を有効活用することで、皮膚バリア制御分子を創製し、経皮投与基盤技術を開発することを目的とした。Claudin(CL)binderスクリーニングの最重要課題であるCL発現系の開発について、これまでにバキュロウイルス(BV)上にCLが高密度提示されること、CL提示BVがCL binderスクリーニング系として機能すること、ファージ表面提示法を駆使することでCL-1 binderを創製できる可能性を見出してきた。これらの予備検討の結果を有効活用し、平成24年度はCL提示BVシステム、ファージ表面提示法、FRETシステムなどを活用したCL-1billder創製システムの確立・最適化を試み、CL binderとCLタンパク質の相互作用をハイスループットスクリーニング可能なシステムを開発し、また当該基盤技術としてCL-1リガンド分子を創出した。
2: おおむね順調に進展している
当初計画通り、claudin binder創製システムの開発に成功しており、概ね順調に進展している。
本課題の成否は、質の高いclaudin-1 binder創製が握っている。そこで、状況に応じて、抗体作製や低分子claudin-1 binder創製などのバックアップ実験を進めておく。
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