• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

分泌機能の安定維持システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24390050
研究機関群馬大学

研究代表者

鳥居 征司  群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (40312904)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードペプチドホルモン / 分泌顆粒 / 膵島
研究実績の概要

いわゆる成人疾患においては多くの神経内分泌器官でホルモン産生能の低下が起こり、これにはホルモン生合成の低下のみならず細胞内輸送や分解機構の関与が示唆されている。ペプチドホルモンを含有する分泌顆粒に局在するフォグリン蛋白質は、神経内分泌細胞の基本的機能を担うことが示唆され、細胞内輸送や分解機構への関わりを通じてホルモン分泌能の安定維持を果たしていることが予想されている。本研究では組織特異的遺伝子欠損マウスから作製した種々の内分泌細胞を使用し、ホルモンの細胞内動態をイメージングしてフォグリンの生理機能を明らかにする。研究の遅れているホルモン安定化機構の解析は、生活習慣病や加齢に伴う疾患の理解に貢献する。
ホルモン動態のイメージング解析において、フォグリンは、インスリンの動態・分泌に大きな影響は与えず、インスリン受容体への直接結合を通してオートクライン作用の維持に機能していることが判明した。本年度はこれを証明するため、とくにフォグリンの膵ベータ細胞特異的欠損マウスを用いた解析を行った。
フォグリンの欠損マウスは膵島の大きさがやや小さくインスリン含量も少ないが、同等の膵島を使った分泌実験において、ノックアウトとコントロールの差は見られなかった。これはやはり、フォグリンは分泌過程そのものには機能していないことを示している。一方、フォグリンの示すIRS2安定化機能は、インスリン分泌に依存しておこること、とくに強制的に増殖を促す条件において顕著になることなどが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ノックアウトマウスの解析では、個体レベルの生理実験とともに、単離した組織を使った解析もできている。しかし、予定された欠損マウスの個体数が得られなかったため、データを統計的に有意なものとするための十分な解析ができなかった。

今後の研究の推進方策

これまでに行った解析結果を統計的に十分なものとするため、マウス個体を増やして同様の実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

細胞培養、マウス管理などに使用する消耗物品の効率化を進めた結果、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

とくにマウスの餌や床敷、そして抗体を使用したアッセイ、さらにはマウス飼育および実験補助者の人件費として使用するつもりである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of Secretogranin III in Chicken Endocrine Cells: Its Relevance to the Secretory Granule Properties of Peptide Prohormone Processing and Bioactive Amine Content.2015

    • 著者名/発表者名
      Gomi H, Morikawa S, Shinmura N, Moki H, Yasui T, Tsukise A, Torii S, Watanabe T, Maeda Y, Hosaka M
    • 雑誌名

      J Histochem Cytochem

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1369/0022155415575032

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] イリジウム錯体を発光プローブとする低酸素病態のイメージング:改良体の組織浸潤性と組織集積および細胞内分布について2014

    • 著者名/発表者名
      寺田幹、吉原利忠、鳥居征司、飛田成史、穂坂正博
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2014-10-16 – 2014-10-17
  • [学会発表] 神経内分泌細胞の分泌顆粒に局在するセクレトグラニンIIIの生体で果たす役割2014

    • 著者名/発表者名
      前田佳紀、暮地本宙己、村田知里、鳥居征司、渡部剛、穂坂正博
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2014-10-16 – 2014-10-17
  • [学会発表] インスリン分泌における顆粒膜蛋白質フォグリンとインスリン受容体の結合は、膵β細胞のオートクライン増殖シグナルに必要である2014

    • 著者名/発表者名
      鳥居征司、斎藤直也、竹内利行
    • 学会等名
      第57回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル (大阪)
    • 年月日
      2014-05-22
  • [学会発表] 鉄依存性細胞死フェロトーシスにリソソーム機能が関与する2014

    • 著者名/発表者名
      鳥居征司、村田知里、八重樫誠、神徳亮介、森勝伸、山田圭一
    • 学会等名
      第23回日本Cell Death学会学術集会
    • 発表場所
      東京医科歯科大学(東京)
    • 年月日
      2014-04-28
  • [備考] 分泌制御分野ホームページ

    • URL

      http://secret-biol.imcr.gunma-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi