研究課題
いわゆる成人疾患においては多くの神経内分泌器官でホルモン産生能の低下が起こり、これにはホルモン生合成の低下のみならず細胞内輸送や分解機構の関与が示唆されている。ペプチドホルモンを含有する分泌顆粒に局在するフォグリン蛋白質は、神経内分泌細胞の基本的機能を担うことが示唆され、細胞内輸送や分解機構への関わりを通じてホルモン分泌能の安定維持を果たしていることが予想されている。本研究では組織特異的遺伝子欠損マウスから作製した種々の内分泌細胞を使用し、ホルモンの細胞内動態をイメージングしてフォグリンの生理機能を明らかにする。研究の遅れているホルモン安定化機構の解析は、生活習慣病や加齢に伴う疾患の理解に貢献する。ホルモン動態のイメージング解析において、フォグリンは、インスリン受容体への直接結合を通してオートクライン作用の維持に機能していることが判明した。これを証明するため、本年度も昨年度に引き続きフォグリン欠損マウスの解析を行った。コントロールに比較してフォグリン欠損マウスの膵島では、IRS2の蛋白質量がおよそ半分に減少しており、フォグリンの示すIRS2安定化機能を証明した。このメカニズムの詳細を培養細胞や試験管内実験で解析したところ、PTP1Bによるインスリン受容体の脱リン酸化活性を制御すること、ネガティブ・フィードバックによるIRS2分解システムを抑制すること、などが明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Diabetes
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Biochemical Journal
巻: 473 ページ: 769-777
10.1042/BJ20150658
http://secret-biol.imcr.gunma-u.ac.jp/