研究課題
1)レプチンによる中枢性糖代謝調節機構の解析本研究では、β受容体欠損マウス(β-lessマウス)、骨格筋にdominant-negative AMPKを発現させたマウス(DN-AMPKマウス)を用いて骨格筋でのインスリンシグナル、糖の利用に及ぼすレプチンの効果を調べた。その結果、レプチンは、DN-AMPKマウスではレプチンによる糖取り込み促進作用、インスリンシグナル活性化作用が抑制されないこと、これに対してβ-lessマウスにおいて抑制されることを見出した。2)DREADD (designer receptors exclusively activated by designer drugs)法を用いてAd4BPニューロンを選択的に活性化させた時の摂食及び代謝調節作用の解析AAVベクターを Ad4BP -CreマウスのVMHに選択的に接種して、Ad4BPニューロンに“hM3Dq”(mCherryの融合タンパク)を発現させた。このマウスにCNO(clozapine-N-oxide)を投与し、同ニューロンを選択的に活性化して、骨格筋及び肝臓における糖代謝への影響を 調べた。その結果、糖負荷試験による血糖上昇が有意に抑制され、糖の利用が亢進することを見出した。さらに、インスリンをマウスに投与した時の血糖低下がより顕著であることから、インスリン感受性が亢進することも分かった。
2: おおむね順調に進展している
計画した実験はほぼ実施し、予想した通りの実験結果が得られている。
"hM3Dq"だけでなく、"hM4Di"をAd4BPニューロンに発現させ、Ad4BPニューロンを不活性化した時の糖代謝に及ぼす影響を調べる。
購入した消耗品が予想よりも低額であったため。次年度に直ちに消耗品購入に使用する。
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