研究課題
申請者等は、これまで、動物個体の糖代謝を正確に評価する解析法として、現在、最も信頼のおける方法であるHyperinsulinemic-euglycemic clamp法と2DG法をマウスに適用し、レプチンによる骨格筋、肝臓における糖代謝調節作用を調べた。その結果、レプチンによる骨格筋での糖利用の亢進作用が、VMHのMEK/ERK経路を介すること、これに対して、肝臓における糖産生抑制作用が VMHのSTAT3経路を介することを明らかにし、研究成果をdiabetes (2013)に発表した。そこで最終年度である本年度は、 DREADD (designer receptors exclusively activated by designer drugs)法を用いて、VMHに発現するAd4BPニューロンを選択的に活性化させた時の、糖代謝に及ぼす効果を調べた。AAVベクターを Ad4BP-CreマウスのVMHに選択的に接種して、Ad4BPニューロンに“hM3Dq”(mCherryの融合タンパク)を発現させ、このマウスの腹腔内にCNO(clozapine-N-oxide)を投与し、同ニューロンを選択的に活性化した時のマウスのエネルギー代謝、及び糖代謝への効果を調べた。その結果、Ad4BPニューロンを“hM3Dq”により活性化すると、摂食が抑制されると共に、エネルギー消費が亢進した。また、インスリン感受性が亢進して骨格筋での糖の利用が有意に亢進することが、グルコース・インスリン負荷試験、Hyperinsulinemic-euglycemic clamp、2DG法によって見出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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