本研究では、ヘムによる免疫応答の制御機構を解明することを目指した。死細胞などから放出されるヘムはヘモペキシンに結合して肝臓へ運搬され、分解される。組み換えヘモペキシンの発現精製系を確立し、ヘモペキシンにより運搬されるヘムが、細胞内Bach1の量を制御することを証明した。Bach2 がBリンパ球において、細胞周期関連遺伝子、アポトーシス関連遺伝子、サイトカインやケモカインとその受容体の遺伝子、代謝酵素遺伝子、鉄代謝・輸送系遺伝子など、実に多彩な遺伝子群を直接制御することを見いだした。また鉄代謝マクロファージの分化をヘムとBach1が形成する制御系が調節することを証明した。
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