研究課題
本研究では、細胞内セカンドメッセンジャーであるホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸(PIP3)を、アシル基の観点から細分してとらえ、多種類であることを明示する。そのために、脂肪酸組成を含めたPIP3の解析技術を開発する。そしてPIP3代謝酵素欠損マウスやアシル基転移酵素欠損マウスを利用して、PIP3分子種の動態変化と細胞機能変化とを包括して解析する。本年度は、①PTENとSHIP1のリコンビナントタンパク質を用いた脱リン酸化活性測定と②下流分子の同定を行った。①従来の方法では、複数のPIP3分子種を同一の試験管内で解析することはできない。そこで本研究部門で開発したPIPs測定法を用いて、基質である複数のPIP3分子種の分解と反応生成物である複数のPIP2分子種の産生を同時に検出できる新たな測定系を構築した。この測定系を用いてPTENとSHIP1の脱リン酸化活性測定を行ったところ、ある条件下において両者は異なる活性を示すことを見出した。②PTENとSHIP1の下流分子を特定するため、各々の欠損マウスの腹腔より細胞を調製し、PHドメインを有する分子の活性化について解析した。その結果、PTEN欠損細胞とSHIP1欠損細胞では異なる分子が活性化されることを見出した。PTENやSHIP1を薬剤誘導性に過剰発現する細胞ではこれらの分子の活性化が減少すること、さらに、PTENやSHIP1と下流分子とのダブルミュータントマウスは、PTENやSHIP1単独欠損マウスの表現型を回復させることを見出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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