研究課題
本年度は、昨年度に引き続き、慢性炎症モデルマウスの解析を実施した。K14-AhR-CAマウスの解析 K14-AhR-CAマウスは、典型的なアトピー性皮膚炎を生後1ヶ月あたりに自然発症する。このマウスの骨髄を解析したところ、造血幹細胞の活性化、前駆細胞の増加、顆粒球系と単球系への分化の亢進が観察された。血小板数はあまり変化していなかった。活性化能を調べるために末梢血からplatelet rich plasmaの調製を試みたが、活性化が亢進しているためかあまり純度が高いものが得られなかった。フローサイトメトリーによる活性化状態の検討では、通常状態において白血球と結合しているplatelet-leukocyte aggregateが増加する傾向が認められた。Scurfyマウスの解析 Scurfyマウスは、Treg細胞の分化不全による重度の自己免疫疾患を発症して生後3週目あたりに致死となる。このマウスの骨髄を解析したところ、やはり、造血幹細胞の活性化、前駆細胞の増加、顆粒球系と単球系への分化の亢進が観察され、さらに、T細胞への分化亢進が認められた。このマウスにおいても血小板数の大きな変化はみとめらなかった。今回我々は、転写因子NRF2の活性化は巨核球の分化成熟過程においてp45機能を抑制し、血小板の活性化に重要な遺伝子発現が低下することを見いだしている。そこで、Scurfyマウスを、全身でNRF2が活性化しているKeap1ノックダウンマウスと交配したところ、軽度ながら炎症の改善と延命効果が得られた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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