癌細胞等の膜表面に発現する糖脂質が近傍の膜分子と相互作用することで生成されるシグナルの分子機構を解析し、その細胞形質制御における意義を明らかにすることで、細胞膜ミクロドメインを標的にした癌細胞制御の治療戦略構築の基盤情報を得ることを目ざした。 そのために、EMARS/MSにより癌関連糖脂質に会合する膜分子の同定と機能解析を行った。メラノーマ細胞ではGD3に会合するneogeninを、ヒトグリオーマではGD2に会合するEphA2を、小細胞肺癌細胞では、GD2に会合するESCT2を同定した。さらにマウスグリオーマでは、GD3に会合するPDGF受容体alpha を同定し、各々の分子機能解析を行った。
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