研究課題/領域番号 |
24390083
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松浦 徹 自治医科大学, 医学部, 教授 (90402560)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脊髄小脳失調10型 / 非翻訳領域リピート伸長 / AUUCUリピート / RNA / スプライシング異常 |
研究実績の概要 |
脊髄小脳失調症10型(spinocerebellar ataxia type 10: SCA10)の原因遺伝子変異は22q13.3上のATXN10イントロン9に存在するATTCT 5塩基リピートの不安定異常伸長である(280~4500リピート)。筋強直性ジストロフィーで明らかにされたように、RNAレベルで伸長AUUCUリピートがSCA10分子病態に寄与しているものと考えられており、SCA10患者由来リンパ芽球のAUUCU核内凝集体の存在は既に示されている。本研究では、AUUCU 凝集体の核内局在について解析を加え、傍核小体との共局在を認めた。また、伸長AUUCUリピート結合タンパクの検索を行い、AUUCU-プルダウン法と質量分析法で、4種の核タンパクを同定した。これらのタンパクはいずれもAUUCU凝集体との共局在を認めた。その中の1つであるPTBP1タンパクにおいて、PTBP1がスプライシング調節している遺伝子のスプライシング異常が生じており、そのタンパクの発現が著明に上昇していた。更にSCA10剖検神経組織(Xia G, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2013)においても、核内AUUCU 凝集体を認め、AUUCU PTBP1との共局在を確認し、PTBP1機能不全による異常スプライシングを、神経組織に確認した。これらのデータは、SCA10のRNA神経変性メカニズムを示すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年7月RNA解析に卓越した研究協力者が急遽退職となり、プロジェクトを推進できなくなった。このため、年度内完了が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
新たな研究協力者を採用し、研究を再開し、成果のとりまとめを急ぐ。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年7月RNA解析に卓越した研究協力者が急遽退職となり、プロジェクトを推進できなくなった。このため、年度内完了が困難となった。
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次年度使用額の使用計画 |
新たな研究協力者を採用し、実験データ解析を施行する。
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