研究課題
脊髄小脳失調症10型(spinocerebellar ataxia type 10: SCA10)の原因遺伝子変異は22q13.3上のATXN10イントロン9に存在するATTCT 5塩基リピートの不安定異常伸長である(280~4500リピート)。筋強直性ジストロフィーで明らかにされたように、RNAレベルで伸長AUUCUリピートがSCA10分子病態に寄与しているものと考えられており、SCA10患者由来リンパ芽球のAUUCU核内凝集体の存在は既に示されている。本研究では、AUUCU 凝集体の核内局在について解析を加え、傍核小体との共局在を認めた。また、伸長AUUCUリピート結合タンパクの検索を行い、AUUCU-プルダウン法と質量分析法で、4種の核タンパクを同定した。これらのタンパクはいずれもAUUCU凝集体との共局在を認めた。その中の1つであるPTBP1タンパクにおいて、PTBP1がスプライシング調節している遺伝子のスプライシング異常が生じており、そのタンパクの発現が著明に上昇していた。更にSCA10剖検神経組織(Xia G, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2013)においても、核内AUUCU 凝集体を認め、AUUCU PTBP1との共局在を確認し、PTBP1機能不全による異常スプライシングを、神経組織に確認した。これらのデータは、SCA10のRNA神経変性メカニズムを示すものである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS Genet
巻: 11 ページ: e1004834
10.1371/journal.pgen.1004834. eCollection 2015 Jan.