研究課題
【コホートの拡大と疾患発症追跡調査】愛媛大学病院で申請者らが実施する抗加齢ドックの利用者を対象に、動脈硬化性疾患等に関する長期縦断疫学研究を継続的に実施している。新たに約150名(再受診者含む)の臨床データを収集するとともに、採血からゲノムDNAを抽出してバンク化した。循環器疾患(脳卒中・心筋梗塞)の追跡調査を行い、80%以上をフォローしている。滋賀地域住民コホート、大迫研究においても、臨床情報の再収集(繰り返し調査等)や追跡調査を予定通り行った。【感受性遺伝子解析】近年の遺伝子解析技術の進歩により、ゲノム網羅的な関連解析(GWAS)が可能となったことで、生活習慣病や多因子疾患の感受性遺伝子が多数同定されるようになった。しかし、これまでの研究は白人を対象としたものが殆どであり、遺伝的背景の異なる東アジア人を対象とした検討からは、あらたな感受性遺伝子が同定される可能性が高い。そこで我々は、日本、中国、韓国、シンガポールの研究者を中心とするコンソーシアムを組織し、東アジア人のGWASメタ解析(Meta-GWAS)から、新規感受性遺伝子の同定を進めた。肥満のMeta-GWASからは、白人を対象とした研究では見つからなかった新たな感受性遺伝子(KCNQ1など)を複数同定した。同様に心電図(QRS時間、PR間隔)のMeta-GWASではPRDM16やSCL8A1など、血糖のMeta-GWASではメタ解析からはPDK1-RAPGEF4やKANK1などの東アジア人特異的な感受性遺伝子を同定することに成功した。一方、動脈硬化の遺伝子解析では、動物モデルの解析で見いだされた候補遺伝子(AGXT2)が、ヒトにおいても頸動脈肥厚と関連することを明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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