研究課題
染色体の構造異常の発生メカニズムは、まだよくわかっていない。近年、DNA複製の停止、近傍の別の複製フォークへマイクロホモロジーを介した侵入、引き続いておこる複製の再開、という一連の修復過程が構造異常の発生に関与するという仮説が提唱され、FoSTeSとよばれている。本研究では、ヒトで発生頻度の高い生殖細胞系列の転座t(11;22)をモデルとして、ヒト染色体転座がFoSTeSによって発生しているのかどうかを検証するとともに、そうであればFoSTeSのメカニズムの本態を詳細に解明し、そうでなければFoSTeS以外のどのようなメカニズムで発生しているのかを3年間で検討しようとするものである。本年度は、パリンドローム関連のt(3;8)染色体転座に関して、解析した。家族性の腎癌の家系で生殖細胞系列のt(3;8)転座を同定した。この8番染色体側の切断点は、繰り返す生殖細胞系列のt(8;22)転座の切断点と一致し、ATに富むパリンドローム配列PATRR8の中心部であった。一方、3番染色体側の切断点は染色体脆弱部位FRA3B内にあり、転座により癌抑制遺伝子FHITが分断されていた。FRA3Bは体細胞分裂で不安定性を示し、種々の構造異常の発生源となるが、FRA3Bで生じる染色体欠失の外側に位置し、PATRR8は生殖細胞系列での不安定性には関与するが、体細胞分裂での不安定性は別のメカニズムであることが明らかとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (4件)
PLoS One
巻: 9, ページ: e96710
10.1371/journal.pone.0096710
Sci Rep
巻: 4 ページ: 4559
10.1038/srep04559
Mol Cytogenet
巻: 7 ページ: 55
10.1186/s13039-014-0055-x
J Hum Genet
巻: 59 ページ: 247-250
10.1038/jhg.2014.20
Cancer Genet
巻: 207 ページ: 133-140
10.1016/j.cancergen.2014.03.004
Pediatr Int
巻: 56 ページ: 462-466
10.1111/ped.12437
Clin Infect Dis
巻: 59 ページ: 545-548
10.1093/cid/ciu323
J Infect Chemother
巻: 20 ページ: 65-67
10.1016/j.jiac.2013.07.004
Pediatr Pulmonol
巻: 49 ページ: E52-E55
10.1002/ppul.22814
Surg Today
巻: 44 ページ: 2195-2200
10.1007/s00595-013-0826-8
Endocr J
巻: 61 ページ: 19-23
Clin Transplant
巻: 28 ページ: 749-754
10.1111/ctr.12375
http://www.fujita-hu.ac.jp/ICMS/
http://www.fujita-hu.ac.jp/~genome/mg/
http://www.fujita-hu.ac.jp/~gtac/
http://www.fujita-hu.ac.jp/~genome/11&22/