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2014 年度 実績報告書

粘液糖鎖による胃癌発生の制御

研究課題

研究課題/領域番号 24390086
研究機関信州大学

研究代表者

中山 淳  信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10221459)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード胃癌 / 腺粘液 / 糖鎖 / 慢性萎縮性胃炎 / 胃幽門腺型腺腫
研究実績の概要

慢性萎縮性胃炎は胃分化型癌発症の危険因子として知られているが、その機序については明らかにされていない。平成26年度は、慢性萎縮性胃炎におけるαGlcNAcの発現と胃癌発生との関連について解析した。ヒト胃生検組織(健常胃粘膜 67症例、慢性萎縮性胃炎 70検体)と内視鏡的に切除された胃粘膜内癌(分化型癌 68症例、未分化型癌11症例)を対象に、αGlcNAcとそのコア蛋白質であるMUC6に対する免疫染色を行った。健常胃粘膜の幽門腺ではαGlcNAcとMUC6の発現が一致していたのに対し、慢性萎縮性胃炎の幽門腺では健常胃粘膜と比較してMUC6陽性腺管の数は有意に減少しており、さらにMUC6陽性幽門腺に対するαGlcNAc陽性幽門腺の数も有意に減少していた。一方、分化型粘膜内癌において、癌細胞の下方に残存する非腫瘍性幽門腺におけるαGlcNAc陽性腺管の数はMUC6陽性腺管と比較して有意に減少していた。しかし、未分化型粘膜内癌において、癌細胞の下方に残存する非腫瘍性幽門腺ではαGlcNAcとMUC6で陽性腺管の数に有意な違いは認められなかった。さらにαGlcNAc が減少した慢性萎縮性胃炎におけるMIB-1標識率は、健常胃粘膜と比べて有意に高かった。以上より、慢性萎縮性胃炎におけるαGlcNAcの発現低下は、粘膜上皮の細胞増殖能を促進することで胃分化型癌発生の危険因子となり得る可能性が示された。さらに同様の解析を18症例の胃幽門腺型腺腫について行った。低異型度型胃幽門腺型腺腫では15症例中、12症例でαGlcNAcとMUC6の発現部位は一致していたが、高異型度型胃幽門腺型腺腫では3症例全てにおいてMUC6に比べてαGlcNAcの発現低下がみられた。さらに、αGlcNAcの発現が減少した症例は減少しない症例と比較して有意にMIB-1標識率が高く、αGlcNAcは幽門腺型腺腫の悪性度とも関わっている可能性が示された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

26年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Reduced gland mucin-specific O-glycan in gastric atrophy is a possible risk factor for differentiated-type adenocarcinoma of the stomach2015

    • 著者名/発表者名
      Yamada S, Okamura T, Kobayashi S, Tanaka E, Nakayama J
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology and Hepatology

      巻: 30 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/jgh.13000

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Decreased expression of gastric gland mucin-specific glycan αGlcNAc on its scaffold MUC6 is associated with malignant potential of pyloric gland adenoma of the stomach2015

    • 著者名/発表者名
      Yamanoi K, Sekine S, Higuchi K, Kushima R, Nakayama J
    • 雑誌名

      Histopathology

      巻: 66 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/his.12728

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 胃腺粘液に特徴的なO-グリカンによる胃癌発生の制御2014

    • 著者名/発表者名
      中山 淳
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府京都市左京区)
    • 年月日
      2014-10-16
  • [学会発表] 腺粘液特異的O-グリカンによる胃癌発生の制御2014

    • 著者名/発表者名
      中山 淳
    • 学会等名
      第55回新潟生化学懇話会
    • 発表場所
      長岡技術科学大学(新潟県長岡市)
    • 年月日
      2014-06-08
    • 招待講演
  • [備考] 信州大学大学院医学系研究科分子病理学教室

    • URL

      http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-2byori/index.html

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公開日: 2016-06-01  

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