研究課題/領域番号 |
24390092
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
西川 祐司 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90208166)
|
研究分担者 |
山本 雅大 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30431399)
藤井 清永 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10278327)
大塩 貴子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80723238)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 肝細胞 / 胆管上皮細胞 / 細胆管反応 / 分化転換 / 肝傷害 / 肝線維化 |
研究実績の概要 |
1.Alb-Cre/ROSA26R肝細胞移植,Mx1Cre/ROSA26Rを用いた肝細胞in vivo追跡系を用いた細胆管反応の細胞起源についての論文を完成した.肝細胞の細胆管化生が証明されたとともに,既存の肝内胆管系が高度のリモデリングを示すことが明らかになり,新しい研究のテーマが得られた.現在,AAV8を用いた肝細胞特異的標識系を用いた検討を行っている. 2.MKK7KOマウス肝細胞のコラーゲンゲル培養で,KOにより樹枝状形態形成が抑制されることを定量的に示すことができた.また,MKK7KOはTNF-αやTGF-βの作用も抑制することが明らかになった. 3.TNF-αおよびTGF-βの受容体細胞外ドメイン-Fc癒合タンパク質のin vitro発現系を確立し,前者に関してはFc癒合タンパク質がTNF-αの生物学的効果を抑制することを確認した. 4.スフェロイド培養,コラーゲンゲル培養を交互に繰り返す新しい実験系を確立し,長期間培養および細胞増殖が可能になった(新しいスフェロイド培養系の導入).
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.本研究の主要なテーマの1つである細胆管反応の細胞起源についての論文を公表することができた. 2.MKK7KOマウス肝細胞を用いて,肝細胞の分化転換や胆管様形態形成にJNK-c-Jun経路が重要であることが再確認された.TNF-αを抑制するFc融合タンパク質の合成も実現したため,来年度の研究の基盤が確立された. 3.スフェロイド培養,コラーゲンゲル培養を繰り返す新しい培養系を確立し,肝細胞と胆管上皮間の相互可塑性の実験が容易に実施できるようになった. 4.オルトバナジン酸の抗肝線維化効果についての実験では十分な効果が得られなかったが,用量を増やして再度行う予定である.レーザーマイクロダイセクションの実験は準備が整っている.
|
今後の研究の推進方策 |
1.AAV8を用いた肝細胞追跡実験を進め,胆管のリモデリングについてのデータも得る. 2.肝細胞,胆管上皮細胞の相互可塑性についてのin vitro実験を新しい培養方法を用いて行う. 3.傷害肝における炎症性サイトカインの産生細胞を同定する. 4.TNF-αを抑制するFc-癒合タンパク質を用いたin vitro,in vivo実験を進める. 5.オルトバナジン酸の肝線維化抑制効果を検討する.
|