アクチン結合タンパクGirdinはAktによってセリン1416残基がリン酸化され、細胞骨格の制御を介して細胞運動に関わる。本研究計画では、海馬のシナプス可塑性の制御におけるGirdin S1416リン酸化の役割を調べた。Girdinは生体脳の海馬神経細胞において刺激依存性にS1416リン酸化を受けた。リン酸化部位変異ノックインマウスではスパインの萎縮、電気生理学的なLTPの減弱、海馬依存性の長期記憶の障害が生じた。さらにGirdinがSrcおよびNR2Bと複合体を形成すること、Girdinリン酸化がNR2Bリン酸化を介してNMDA受容体の活性をコントロールしていることが明らかとなった。
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