研究課題
トキソプラズマにおいて最近「細胞外」原虫でのみ形成されるオルガネラの存在が報告された。このオルガネラ(PLV/VAC)は原虫の細胞外環境適応能力を規定していることが示唆されている。申請者らは独立した研究によりこれらと類似のオルガネラを発見し、詳細な解析からこれらのオルガネラが3つのサブコンパートメントに区別できることを見出した。また申請者らは抗マラリア薬として知られているプリマキンが3つのサブコンパートメントの1つであるPLV2の水素イオンおよびカルシウムイオンを細胞質内に遊離させる作用を持つことも見出した。そこで、その分子機構を検討するため、変異原を用いたプリマキン耐性トキソプラズマ原虫クローンを確立した。さらにその責任遺伝子を同定するため確立した4クローンの全ゲノム配列を決定し、親株と比較した結果、責任遺伝子としてTgCRTが同定できた。実際に変異型TgCRTをトキソプラズマに強制発現させるとプリマキン耐性が付与された。また、耐性変異TgCRTはプリマキン処理による水素イオンおよびカルシウムイオン遊離のうち、カルシウムイオンの細胞質内遊離に対して抵抗性を示した。また、本変異遺伝子導入株はプリマキンによるトキソプラズマの運動や宿主細胞侵入阻害に対しても抵抗性を示した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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