近年,世界的に大流行したマイコプラズマ肺炎は,マイコプラズマという細菌によって起こる.マイコプラズマは全くユニークなメカニズムで滑走運動を行い,この滑走運動はマイコプラズマの感染に必須である.本研究では,最速種のMycoplasma mobileとヒト肺炎菌のMycoplasma pneumoniaeについて,(1) 滑走装置のナノメートルレベルの三次元構造,(2) 滑走メカニズムに必須なタンパク質とその活性検出および構造アウトライン,(3) 滑走装置のATP加水分解反応,(4) “あし”分子の挙動,(5) 遺伝子操作開発とそれを用いた滑走装置構成タンパク質の局在決定,について結果を得た.
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