C型肝炎ウイルス(HCV)の生活環は徐々に解明されつつあるが、粒子産生機構については未だ不明な点が多い。今回、高分化型肝細胞癌のマーカーであるAFPを指標にして、miR-122やアポリポ蛋白質等の肝臓特異的な因子を発現する細胞株を選択し、HCVの増殖性を評価した。その結果、新たに肝細胞由来のJHH4細胞と胃癌由来のFU97細胞がHCVの感染性粒子を産生できることが示された。FU97細胞は薬剤やウイルス株に対して、Huh7細胞とは異なる感受性を示すことから、HCVの増殖に関与する新しい宿主因子や新規治療薬の探索への応用が期待される。
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