研究課題
(1)腸管におけるIL-5産生細胞とIgA産生に関する研究IL-33またはLPS投与によって誘導されるIgA産生におけるIL-5産生細胞の役割を検討した。①野生型マウスへのIL-33投与により、IL-5依存的に糞便中IgA産生が増加した。腸管のIL-5産生を担う細胞にはT細胞と原始IL-5産生細胞が知られているため、T細胞欠損マウスを用いて解析を行った。IL-33投与による糞便中IgA産生は、T細胞欠損マウスにおいても観察された。したがって、IL-33によるIgA産生増強は、T細胞非依存的であることが判明した。②T細胞非依存的なIgA産生は孤立リンパ小節で行われる。IL-5/Venusノックインマウスを用いて検討したところ、多数の原始IL-5産生細胞が孤立リンパ小節に存在していた。③IL-33投与により大腸粘膜固有層のB細胞がIL-5依存性に増加していた。このB細胞はIgA産生を担うB細胞であることも確認した。④LPS投与によって誘導される糞便IgA産生におけるIL-33の関与を検討した。LPS投与により、腸管におけるIL-33の増加は認められず、また原始IL-5産生細胞数にも変化を認めなかった。以上の研究成果から、IL-33によって原始IL-5産生細胞が活性化され、孤立リンパ小節における腸管IgA産生が誘導されることが示唆された。(2)腸管におけるIL-5産生細胞と慢性炎症に関する研究デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘導性大腸炎モデルを用いて、腸管慢性炎症におけるIL-5産生細胞の役割を検討した。①IL-5欠損マウスを用いた実験では、野生型マウスと比べ有意な差は認められなかった。②IL-5/Venusノックインマウスを用いた実験では、DSSの投与により、原始IL-5産生細胞数に大きな変化を認めなかった。③DSSの投与により、野生型マウスの腸管におけるIL-33遺伝子の発現が増加した。以上の実験結果から、DSS誘導性大腸炎モデルの病態には、原始IL-5産生細胞は関与しないことは示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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