研究課題
k昨年度までに、腸内細菌の会話分子として作用するインドールが、腸管上皮のバリア機能の亢進に関与していることを見出してきた。今年度さらに、腸内細菌に由来する成分の宿主腸管上皮細胞への作用を解析した。なかでも腸内細菌に由来する分子の中から、宿主に作用する分子をさらに探索するため、腸管内容物から脂質成分を抽出し、腸管上皮細胞株であるCMT93細胞の培養液中に添加し、遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に解析した。その結果、無菌マウスの小腸や大腸の内容物の脂質抽出成分に比べて、SPF(通常環境下で飼育している)マウスの小腸や大腸の内容物の脂質抽出成分が、様々な遺伝子を強く誘導していることを見出した。このことは、腸内細菌に由来する脂質系代謝成分が宿主の腸管上皮細胞に作用していることを示唆している。そこで、このSPFマウスの小腸や大腸の脂質抽出成分を、抽出条件を変化させて、さらに分画化したところ、ある分画に遺伝子発現誘導能が強いことを見出した。今後、実際のマウスの腸管上皮細胞がこの脂質抽出成分に反応することを確認するとともに、上皮に作用する脂質成分の同定を行っていく。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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