研究概要 |
【成果1】有害事象原因候補医薬品の組み合わせ(単剤を含む)を網羅的,高速に発見する手法・システムの構築 【方法1】米国FDAが有するAERS(医薬品有害事象報告書)データを350万件(過去12年分程度)収集し,本研究用にデータベース化を完了した。また,これらデータから報告書毎に患者背景情報(国籍,性別,年齢,病名等),使用医薬品(複数薬剤が一般的,医薬品のブランド名と一般名で参照可能),有害事象名(複数記載されていることが多い)等の種々の組み合わせで検索を可能とする高速検索用テーブルの開発が完了し,30秒以内での検索結果を提示するシステムの構築が実現した。これらの成果を岐阜大学病院の薬剤師に紹介,実用的に活用する面からの評価を実施している。 【成果2】複数医薬品の組み合わせ(単体を含む)に基づいた有害事象の発生パターンを特徴的サマリ情報として30秒程度で定量的に算出・表示する機能も実現した。また,各種使用医薬品や患者背景情報,有害事象名の組み合わせに対する有害事象発生のパターンを有害事象特徴サマリーとして定量的に算出・表示するだけでなく,性別間比較,年齢別分布頻度パターン比較等を組み合わせて提示する機能も開発が完了した。今後は,医師や薬剤師が自身の臨床経験や,システム内で発見された有害事象の特徴的なルールの発見を支援する効果的な手段となる方向に開発を進める予定である。 【成果3】有害事象原因候補医薬品組み合わせルールをエクセルやCSVの形式で外部出力できる機能を追加した。これにより,エクセルやCSV形式の組み合わせデータをデータベース化することは容易であり,同時にこれらデータからアソシエーション分析を通して知識の発見,知識のデータベース化が可能であると考えている。 艦
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次年度の研究費の使用計画 |
(研究費の使い方について)今年度の研究成果から,有害事象原因候補医薬品組み合わせルールが予想以上に多くあることが明らかになった。この課題に対処するため,次年度使用額808,091円も含めて,今年度はデータマイニング環境を機能強化するために予算使途を一部変更した。
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