研究課題/領域番号 |
24390131
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡山 雅信 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10285801)
|
研究分担者 |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
牧野 伸子 自治医科大学, 医学部, 講師 (10382946)
藍原 雅一 自治医科大学, 医学部, 講師 (80360080)
小松 憲一 自治医科大学, 医学部, 助教 (70364510)
見坂 恒明 自治医科大学, 医学部, 講師 (90437492)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 地域医療 / 臨床実習 / 実習内容 / 卒前教育 / 認識 |
研究概要 |
地域医療臨床実習で学生が体験している内容および実習内容に対する学生の事前意識の検討を行った。自習での体験項目については、自治医科大学で5年生対象に実施された実習(2週間)の実習報告から、その抽出と分析とを行った。抽出された実習項目は71項目であった。それらの項目は、医療、在宅・介護・福祉、保健、救急、産業保健、地域(現場)の理解、講義、その他に大きく分類された。さらに、医療は、診療の見学、診療の体験、死の体験、他職種業務の体験、施設内カンファランスの参加に区分された。これらから、地域医療臨床実習で提供される実習項目が多岐にわたっていることがわかった。標準プログラムを提案する際には、実習内容を施設別に類型化することが必要であることがわかった。実習内容に対する学生の実習前の意識について、自治医科大学医学部5年生を対象に、実習前の実習内容希望質問紙調査を行って、その回答から分析を行った。実習項目への希望を、A:ぜひ行いたい、B:行いたい、C:どちらかと言えば行いたい、D:他になければ行う、の4段階で測定し、希望比率[(A+B)/(C+D)]を算出した。希望比率は、外来診療:32.3、検査・手技:9.0、病棟診療:8.1、地域社会:1.9、他の職種との連携:1.6、保健活動:1.6、在宅診療:1.3、講義:0.7であった。多職種協働に関わる実習項目(小項目)では、住民対象の健康教育:2.2、理学療法士の業務:1.4、栄養士の業務:1.1、保健師の業務:1.0、訪問看護:0.9、ケア・マネージャの業務:0.8、ケア・カンファランス:0.7、介護予防:0.7、ホームヘルパーの業務:0.7、デイサービス:0.5、入浴介助:α5であった。学生は、外来診療、検査・手技、および病棟診療の実習を受けたいと強く思っていることがわかった。逆に、多職種協働に係る実習項目への希望は低い傾向にあった。標準プログラム考案の際には、多職種協働に係る実習効果を高めるために、事前に意義等を十分に学生に説明する等の工夫が必要であることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画であった、実習内容の抽出と実習内容の必要性に係る学生の認識を明らかにすることができた。 しかし、学生と教員との必要性の認識の違いについては、調査時期の調整等により、次年度に実施することとした。 特色ある地域医療臨床実習の実態把握も、実習時期と調査時期の調整不足により、十分な調査が実施できていない。 なお、実習効果の検証等の調査項目については、順次、質問紙調査等で情報収集は順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
計画の変更は行わず、次年度以降も、当初の計画通りに、研究を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
学生と教員との実習項目に対する認識の違いの検証と特色ある地域医療臨床実習の実態把握(一部)とは、次年度計画に加えて、標準的な地域医療臨床実習プログラムの考案と改善、実習効果の検証、実習内容との実習効果との関連の検証、特色ある地域医療臨床実習の実態把握、実習内容の必要に係る学生の実習前後の変化、地域医療に従事する意欲の形成メカニズムの検証を行う。
|