研究課題/領域番号 |
24390131
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岡山 雅信 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10285801)
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研究分担者 |
梶井 英治 自治医科大学, 医学部, 教授 (40204391)
牧野 伸子 自治医科大学, 医学部, 講師 (10382946)
藍原 雅一 自治医科大学, 医学部, 講師 (80360080)
小松 憲一 自治医科大学, 医学部, 助教 (70364510)
見坂 恒明 自治医科大学, 医学部, 講師 (90437492)
竹島 太郎 自治医科大学, 医学部, 助教 (50554565)
中村 剛史 自治医科大学, 医学部, 助教 (20554554)
神田 健史 自治医科大学, 医学部, 助教 (10528673)
古城 隆雄 自治医科大学, 医学部, 助教 (70518787)
森田 喜紀 自治医科大学, 医学部, 助教 (60627644)
上田 祐樹 自治医科大学, 医学部, 助教 (80649137)
山本 祐 自治医科大学, 医学部, 助教 (30642235)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域医療 / 臨床実習 / 実習内容 / 卒前教育 / 教育効果 / 認識 |
研究概要 |
地域医療に従事する意欲の形成に係るメカニズムの検証として、学生7~8名/グループで討論を行い、その内容を抽出した。一般的疾患の経験、地域住民との関わり・住民とのふれ合い、人とのつながりの大切さ、多職種連携・他職種とのコミュニケーション、人の死に接すること、地域の実情の理解・生活状況を知ることが、意欲の形成に関連していることが示唆された。 実習内容と実習効果の検証において、地域の理解(見学と説明)および地域住民との交流の経験について、学生98名(男性76名)を対象に検討した。地域現場の見学、地域の説明および地域住民との交流は、それぞれ、31名(32%)、25名(26%)、15名(15%)が経験した。これらの項目と実習評価および地域医療への思い(VASスコアで評価:0-100)との関連は、地域の説明の経験と地域医療への思いとだけが差を認めた(有:68.0±21.5、無:76.8±13.8、p<0.01、t検定)。経験内容の質的検証は行っていない。しかし、地域の理解や住民との交流が必ずしも実習評価に直結しないことが示唆された。これらのプログラムを提供する場合に何らかの工夫が必要と思われる。 実習内容に対する学生の実習前後の意識変化について、実習項目への希望を、A:ぜひ行いたい、B:行いたい、C:どちらかと言えば行い、D:他になければ行う、の4段階で測定し、希望比率[(A+B)/(C+D)]を算出して分析した。実習前に比べて、在宅医療(前:2.4、後:12.5)、他職種との連携(2.4、6.2)、保健活動(1.0、3.2)と上昇し、外来診療(9.8、8.8)、病棟診療(3.2、3.7)、検査・手技(11.0、6.0)、地域社会活動(1.5、2.1)、講義(0.6、0.7)と変化はなかった。実習を通して、在宅医療、他職種との連携、保健活動の重要性を認識していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画であった、実習内容の必要性に係る学生の認識の変化を明らかにすることができた。また、地域医療に従事する意欲の形成に係るメカニズムの検証、他大学における地域医療臨床実習の効果の検証、特色ある地域医療臨床実習の実態把握も一定に成果をあげている。しかし、教員からの情報不足により、学生と教員との必要性の認識の違いについては、十分な調査が実施できていない。なお、実習効果の検証等の調査項目については、順次、質問紙調査等で情報収集は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
計画変更は行わず、次年度以降も、当初の計画通りに研究は進める。 標準的な地域医療臨床実習プログラムの考案と改善、実習効果の検証、実習内容との実習効果との関連の検証、特色ある地域医療臨床実習の実態把握、実習内容の必要に係る学生の実習前後の変化、地域医療に従事する意欲の形成メカニズムの検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に特色ある地域医療臨床実習を展開している大学および医療機関の調査が、予算執行時期と実習時期とが合わず、調査実施に支障を来したために繰越金が生じた。調査の遅れを取り戻しつつあるものの、いまだ繰越金が生じている。 特色ある地域医療臨床実習の調査に、教員のみならず学生等も調査員として加えて、異なる視点からの調査を強化すると共に、参加学生から聞き取り調査を行い、どのような実習が効果的なのかの検証も行い、調査を充実させる予定である。
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