研究課題/領域番号 |
24390134
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研究機関 | 公益財団法人労働科学研究所 |
研究代表者 |
酒井 一博 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究主幹 (90072660)
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研究分担者 |
吉川 徹 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (50332218)
鈴木 一弥 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (90291898)
小木 和孝 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 主管研究員 (90124312)
竹内 由利子 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 協力研究員 (30534458)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 医療の質 / 医療・福祉 / 医療安全 / 作業効率 / 参加型 / 人間工学チェックポイント / 過重労働 / 医療従事者 |
研究概要 |
本研究では病院での現場調査研究と新技術開発および、公開ワークショップの継続開催によるステークホルダー(患者・医療者・医療機器開発者デザイナー等)の総合触発による統合視点を醸成する社会対話実証研究を行うことで、ヒューマン・ケア・ワークにおけるビジネスプロセス・リエンジニアリングの技術体系を再検討し、健康社会の実現に資する問題解決型科学技術の新知見を得る。 平成25年度は、(B)ストレス対策や過重労働対策など医療労働改善のための要素技術の収集、(C)ケーススタディの積み重ねと良好事例活用方法(北海道「職場ドック」プログラム等)、(D)参加型ワークショップ準備などを行った。多領域の研究者と研究プラットフォームの構築を継続して(B)(C)を行うことで、①医療従事者の労働改善のためには心身の負担の軽減の視点からメンタルヘルス一次予防の視点を取り入れること、②作業環境・心理社会的要因・作業負担などの複合要因を、職員参加型の職場改善手法を取り入れて行う手法が整理された。その成果として「安心・安全で快適な医療職場のための改善チェックリスト」を活用した手法について、「メンタルヘルス向上のためのアクションチェックリストの活用」として「医療機関における産業保健活動ハンドブック(和田耕治編著、産業医学新興財団、2013年10月)」で発表した。また、日本医師会の勤務医の健康支援に関する検討委員会を通じて作成された「勤務医の労働時間に関するガイドライン」を参考にして、勤務医の労務管理・労働時間管理の視点について検討を行なった。医療労働のワークフロー改善等に活用できるIEA/ILO人間工学チェック・ポイント(第2版)の日本語版作成の一部を分担研究者小木らが実施した。平成24年度に開発したヒューマン・ケア・ワークの改善チェックポイントの使い勝手について来年度以降検討する予定とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒューマン・ケア・ワークにおけるチェックポイント、安心・安全で快適な医療職場のための改善チェックリスト、IEA/ILO人間工学チェック・ポイント(第2版、日本語版)などのツールが、多領域の研究者と研究プラットフォームを通じての開発が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)業務の動線調査と「見える化」技術研究については、チェックリスト等のツールを活用した現場での実地改善活動の成果に関する研究が必要である。そのため、これまで開発したチェックリストなどを使い職場改善を行うケーススタディのフィールド確保について、分担研究者らのネットワークを活用する。また、(2)医療の質改善のための、医療労働環境改善のためのマネジメントシステムの仕組み作りに関して検討が必要である。そのため、平成26年度には「医療の質」改善のための手法について、医師、看護師など他職種が意見交換を行うセミナーの機会などを活用して、医療労働改善のプロセスの改善に関する知見を集約する。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでの研究から、職場環境改善プログラムの基本構造検討のため職場ドックプログラムの実施支援、ツール開発、成果発表、論文等に関わる支出を必要とする。 平成26年度は、職場環境改善プログラムの基本構造検討のため職場ドックプログラムの実施を通じて検討を行う。北海道、京都、高知などの遠方のため、旅費を計上した。学会などでの成果発表のための予算を計上した。成果発表のための論文等の支援費についても計上した。
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