研究課題/領域番号 |
24390135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 副所長 (20150881)
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研究分担者 |
会田 薫子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科死生学・応用倫理センター, 特任准教授 (40507810)
鶴若 麻理 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (90386665)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 終末期医療 / 意思決定 / 医療の質 |
研究概要 |
病院外来を通院中の高齢者を対象に、終末期医療に関する意識調査を実施した。44.4%の人が終末期医療について家族や友人と話したことがあると回答したのに対し、その内容を記録に残していると回答したのは12.0%であることがわかった。本人の意思を記録に残し、終末期医療の意思決定に生かすためには、何らかの働きかけが必要である可能性が示唆された。現在、調査結果について、論文投稿の準備中である。 本研究では、意思の記録を支援するツールとして、人生を振り返りつつ価値観を書き残し、終末期をどう生きるかを記録するライフデザインノートを作成した。作成に至るまでに研究会を三回開催して、医療で想定される活用方法、広報の方法、項目内容、体裁について、共同研究者と議論した。 ノート記入の効果として、(1)人生における自己肯定感が強化される、(2)家族とのコミュニケーションが促進され、代理決定への安心感が強化される、(3)事前ケア計画の作成に対する意識が高まる、という仮説を立て、検証する。 平成24年度は、地域医師会を通じて研究に協力できる診療所医師を募集し、36診療所の協力を得た。 それらの診療所に通院する患者め中から、研究に協力できる患者を募集し、138名が参加を承諾した。 今後は、居住地域が均等になるよう配慮して介入群と統制群に割り付ける。介入群はライフデザインノートを渡し、書き方についての説明会を実施後、ノートに記入してもらい、ノート記入前後の変化を統制群の変化と比較する。統制群については、研究終了後にライフデザインノートを渡して倫理的な問題が生じないように配慮する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
終末期への意識調査、及びライフデザインノートの検討と作成については、計画通りに進行している。 病院でのライフデザイン支援外来の立ち上げについては、病院内の体制面での調整が困難となり、地域医療におけるライフデザインノートの活用とその評価へと計画を変更した。この変更後の計画で順調に進んでおり、今後の計画も順調に進行できる目途が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
診療所通院患者対象とした調査についてデータを分析し、結果を検討する。ライフデザインノートを医療・介護の現場での活用を促進できる要因を探索するため、ライフデザインノートの研究に協力した通院患者、診療所医師からインタビューの協力者を募集する。また、新たに緩和ケア病棟の看護師、訪問看護ステーションの看護師に協力を依頼し、グループインタビューを実施して、医療・介護におけるライフデザインノート活用に伴う留意点、活用促進のための方策などを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費(文具、書籍、調査協力謝品)、国内旅費(調査実施旅費、研究打ち合わせ旅費、国内学会での報告旅費)外国旅費(海外学会での報告旅費)、人件費(研究補助)、その他(郵送費、印刷費、委託費(データ入力))
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