研究課題/領域番号 |
24390141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
金子 明 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60169563)
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研究分担者 |
平塚 真弘 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (50282140)
寺本 勲 (木俣 勲) 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20153174)
五十棲 理恵 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 病院講師 (30550355)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マラリア / アルテミシニン / 薬剤耐性 / チトクロームP450 / 熱帯アフリカ |
研究概要 |
マラリア撲滅のためには抗熱帯熱マラリア原虫生殖母体薬であるプリマキン使用が要であるが、G6PD欠損者ではプリマキン投与が時として血管内溶血を引き起こすことが問題になる。当該年度はケニア・ビクトリア湖島喚地域におけるG6PD欠損症の状況について検討した。 今般の対策法スケールアップにも関わらずケニア・ビクトリア湖周辺では激しいマラリア伝播が続いている。現地島嶼マラリア撲滅計画の干渉前調査として、スパ地区人口約2万5千人のMfangano島、各々約千人のNgodhe、Takawiri、Kibuogiの3小島および内陸側Ungoi村で、2012年乾季の1-2月および雨季7-8月の2回マラリア原虫感染率調査を行った。後者においてG6PD欠損症調査を加えた。乾季感染率は計2586名中、顕微鏡法19%、迅速診断法(RDT)37%であった。前者陽性481例はP. falciparum (Pf) 462, P. malariae 10, P. ovale 1, mixed 8で、P. vivaxはなかった。Pf50例は生殖母体を有していた。脾腫率は小児1676名中36%であった。RDT-Pf感染率はU49 M49 K25 Nl7 T15%で、地域毎に同様な年齢特異的変動を認め、U6-10歳は70%と最高値だった。雨季感染率は計2670名中顕微鏡15、RDT32%で、後者はU53 N37 T26 M25 K13%であった。脾腫率は1554名中45%であった。G6PD欠損症率は男性10.6%(78/735)女性2.4%(18/750)で、前者はU14.3 K13.6 M10.0 T8.1 N6.6%であった。内陸部では乾季、雨季を通じて感染率が安定して高く、G6PD欠損症率も高値を示した。島嶼部では島毎に感染率の変動がみられた。これを媒介蚊生態疫学と関連させて今後議論していく必要がある。またPf抗生殖母体薬としてのプリマキンを含む集団治療による島嶼マラリア伝播阻止計画の基盤となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主たる理由は現地協力機関の全面的な研究支援体制にある。ケニアにおける保健省マラリア対策課のDrWillis Akwaleは2000年から3年間、学位研究のため金子の指導のもと日本に滞在した。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力体制の構築:ビクトリア湖Kibuogi島全住民(1000人)を対象にアルテミシニンとプリマキンによる集団治療を中心とした短期集約対策によるマラリア撲滅のfeasibility studyを展開するための現地研究協力体制を確立する。ビクトリア湖マラリア撲滅研究サイトのICIPEにおいて日中およびケニア側参加研究者が集い、地域関係者の参加も得て島嶼マラリア撲滅の全体計画について話し合うとともに関連するアルテミシニン、マラリア伝播の分子および血清疫学および社会経済学的研究の進め方を探る。 現地調査:撲滅実施に先立つKibuogiを含む地理的に連なる島嶼および内陸湖岸村住民集団においてマラリア感染に関する寄生虫学、血清学、分子疫学的調査を島嶼地域間比較における調査を再び7-8月に行う。G6PD欠損症スクリーニングを前回調査でカバーできなかった地域で再び行う。また原虫抗原多型変動の検討を目的とし、熱帯熱マラリア培養株確立を調査と並行して進める。集団治療で使用予定のartemisinin-pipera4uineについて投与後の再燃について耐性原虫選択という観点から検討する研究準備を進める。 実験室解析:2012年に得た濾紙採血サンプルについて、熱帯熱マラリア原虫薬剤耐性遺伝子、原虫集団のマイクロサテライト)、G6PD欠損症の遺伝子型につて解析を進める。また抗マラリア原虫抗体の解析をカロリンスカ研究所で着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度開始早々に、使用予定の試薬等があった。25年度の交付までの間支障をきたす為、相当額を繰り越すことにより、解析作業が継続的に行えるよう計った。
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