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2012 年度 実績報告書

難治性がん疼痛の概日変動メカニズムを基盤にした鎮痛標的分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 24390149
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

小柳 悟  九州大学, 薬学研究院, 准教授 (60330932)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード生体リズム / 概日時計 / 神経障害性疼痛
研究概要

「痛み」は、がん患者が経験する最も困難な苦痛であり、その発症率は進行期で90%にまで達する。がん細胞が神経に浸潤した場合、モルヒネなども奏効しない難治性疼痛(神経障害痛)が発症し、患者のQOLを著しく低下させるが、その疼痛強度には概日性の変動が認められる。本研究では腫瘍の浸潤によって誘発される神経障害痛の概日変動のメカニズム解明を通じて、難治性がん疼痛の治療薬開発に向けた基盤研究を行う。
本研究目的に則し、当該年度は以下の3項目について検討を行った。
(1)がんによる神経障害痛の概日リズム形成部位・細胞の特定
(2)体内時計(時計遺伝子)と神経障害痛をつなぐ分子を同定
(3)上記分子の治療標的としての評価
その結果、神経障害痛の概日リズムは神経およびグリア細胞レベルにおいて生じていることが明らかとなり、その制御因子として副腎皮質ホルモン(グルココルチコイド)が重要な役割を担っていることを見出した。マイクロアレイによる解析の結果、グルココルチコイドによる神経障害痛の概日リズム制御は、ステロイド応答性のリン酸化酵素を介して引き起こされていることが明らかとなり、本リン酸化酵素活性を阻害することで神経障害痛の概日変動がなくなることを示唆する所見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究では以下の3項目を計画しており、目的はほぼ達成された。
(1)がんによる神経障害痛の概日リズム形成部位・細胞の特定
(2)体内時計(時計遺伝子)と神経障害痛をつなぐ分子を同定
(3)上記分子の治療標的としての評価

今後の研究の推進方策

本年度における検討項目が計画通りに達成できたことから、次年度以降は当初の計画どおりに以下の項目について実験を遂行する。(1)標的分子の活性を阻害するシーズ化合物の同定(2)標的分子の阻害剤を痔痛患部へ集積させるDDSの開発。一方、本年度の研究成果から「固定したステロイド応答性のリン酸化酵素が神経障害痛に関わるどの分子をリン酸化しているのか」という新たな課題も出現した。そこで〓記の推進方策に加え、新な治療標的分子を探索することを目的としで「ステロイド応答性のリン酸化酵素の基質分子の同定」も試みる予定である。

次年度の研究費の使用計画

実験動物飼育管理費として70万円、分子生物実験用試薬として150万円、細胞用実験器具として30万円、リポゾーム用ペプチド鎖合成費用として70万円、標的化リポゾーム作成費用として40万円(合計360万円)を使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rhythmic control of the ARF-MDM2 pathway by ATF4 underlies cireadian accumulation2013

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi M, Koyanagi S, et al
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 73 ページ: 2639-264〓

    • DOI

      10.1158/0008-5472

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular basis for circadian regulation of neuropathic pain in mice2013

    • 著者名/発表者名
      Kusunose N, Koyanagi S, et al
    • 学会等名
      第86回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2013-03-21

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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