がん細胞が神経に浸潤した場合、モルヒネなども奏効しない難治性疼痛(神経障害痛)が発症し、患者のQOLを著しく低下させるが、その疼痛強度には概日性の変動が認められる。本研究では腫瘍の浸潤によって誘発される神経障害痛の概日変動のメカニズム解明と難治性がん疼痛の治療標的分子の探索を目標に検討を行った。その結果、概日時計と疼痛を繋ぐ因子の同定に成功し、同定した因子の機能を阻害することで、痛みを緩和できることが明らかになった。これらの結果は概日時計による病態の日内変動の制御メカニズムの解明が、新規の治療標的分子の探索において有用であることを示唆している。
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