| 研究概要 |
平成19年度より出生前コホート研究である「九州・沖縄母子保健研究」を開始し、ベースライン調査、出生時、生後4ヶ月時、1歳時、2歳時、3歳時追跡調査にそれぞれ1,757名の妊婦、1,590組、1,527組、1,430組、1,362組、1,306組の母子が参加した。現在、4歳時及び5歳時追跡調査を実施している。生後4ヶ月前後に1,492組の母子から遺伝子検体を得た。別途、新規に3歳児を対象とした横断研究を実施し、24年度末で2,754名より質問調査票によるデータを得、その約半数より遺伝子検体を得た。25年度も継続する。
平成13年より開始し全ての追跡調査が終了した「大阪母子保健研究」のデータを用いて、親の社会経済的要因と4歳半時おける喘鳴、喘息及びアトピー性皮膚炎リスクとの関連を調べたところ、母親の教育歴が高いほど、喘鳴と喘息のリスクが有意に高く、父親の教育歴が高いほど、アトピー性皮膚炎のリスクが有意に高かった。平成18年に実施した福岡市の3歳児を対象とした横断研究のデータを用いて、2500g未満の出生時低体重、37週未満での出産及び性別、妊娠週別、初経産別標準体重の10パーセンタイル未満で定義したsmall-for-gestational ageと喘鳴、喘息、アトピー性皮膚炎有症率との関連を調べたが、いずれの組み合わせにおいても統計学的に有意な関連を認めなかった。
遺伝子多型については、「九州・沖縄母子保健研究」の母親のデータを用いて解析した。
IL4遺伝子多型rs2227284とアレルギー性鼻炎との間に有意な関連を認めた。IL4遺伝子多型rs2243290と喘息との間に有意な関連を認めた。IL4R遺伝子多型rsl805011及び
rs1805015とアトピー性皮膚炎との間に有意な関連を認めた。
以上、5つの論文が受理された。IL3及びIL5遺伝子多型のタイピングを終えた。
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