研究課題
環境汚染物質として黄砂やPM2.5が挙げられるが、それらは粒子と付着物質から構成されている。本年度はまず、粒子のサイズの違いによる免疫応答の差異を検討した。粒子サイズを均一なものを用い、サイズの違う(0.3 μm、1 μm、3 μm)球状の粒子を用いた。粒子をマウスに10μL点鼻投与し、曝露モデルマウスを作成した後、24時間後にマウスから脾臓を摘出し脾臓細胞を調製した。その脾臓細胞を細胞分裂誘発剤の一つであるリポポリサッカライド(LPS)で刺激し、増殖反応と液性因子の一つであるTNF-αの産生量を検討した。興味深いことに1 μm、3 μmの群において増殖反応、TNF-α産生量が対照群に比べ増強されており、それは3 μmの群でより顕著であった。続いて、付着物質としてTar(タール)成分が確認されていたので、その影響を調べた。マウスの気管内にハロタン麻酔下で、0.1 mL量(100 μg)のtar成分を2週間おきに4回投与し、最終投与後、24時間後にマウスから脾臓を摘出し、脾臓細胞を調製した。その脾臓細胞の増殖能を調べたところ、対照群に比べ、有意に高値を示した。更には細胞分裂誘発剤の一つであるコンカナバリンA(ConA)で刺激後の培養上清中の液性因子、IL-2の量を調べたところ、投与群で高かった。これらの結果から、粒子状物質自身とそれに付着している物質が生体に影響を及ぼすことが示された。その修飾作用は多岐に渡り、組成に伴う生体影響の違いが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 10 ページ: 30
10.1186/1710-1492-10-10
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