研究課題
1.放射線関連大腸がん症例について、CD14とIL18の6SNPsの大腸がんの発生相対リスク(RR)に対する影響を調べた結果、高線量被曝者群でCD14-911 A/A遺伝子型は大腸がんリスクと遠位結直腸がんリスクが有意に高く、IL18-137 G/G遺伝子型は近位結腸がんリスクが有意に高いことを見出した。また、CD14遺伝子型と膜及び可溶性CD14レベルの有意な関連、IL18遺伝子型と血漿IL-18レベル有意ではないが関連する傾向の結果を得た。これらの結果は、原爆被爆者の遠位結直腸がんの発生はCD14 を介し、近位結腸がんの発生はIL18を介した炎症性応答と関連することが考えられた。2.DNA修復関連遺伝子ATMの特に遺伝子発現に関連することが考えられる5’非翻訳領域のrs189037の一塩基多型と放射線関連乳がん発生との関連を調べた結果、遺伝子型ATM-A/AまたはATM-G/Aの非被曝者と比べて、遺伝子型ATM-G/Gと最も高い被曝線量群の組み合わせで乳がんの相対リスクが最大となったことから、ATM遺伝子多型が原爆被爆者の放射線関連乳がんリスクの個人差に関与する可能性が考えられた。3.原爆被爆者2,789名について27種類の免疫・炎症関連生体指標を測定し、血液細胞内活性酸素(ROS)レベル、特に放射線被曝線量とともに有意に増加するCD8 T細胞のO2.-レベルとの相関解析を行った結果、CD8 T細胞のO2.-レベルとIL-8またはIL-15の血漿中レベルが正の関連を示すことを見出した。4.放射線関連乳がん症例と肝細胞がん症例についてSNP arrayを用いた網羅的がん関連遺伝子多型(SNP)の探索を行った結果、高線量被曝者で特に乳がんリスクと肝細胞がんリスクが有意に増加する可能性のある各々7種類と35種類のSNPを見出した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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