研究実績の概要 |
本研究の目的は、1994年から構築を開始した生活習慣病の大規模横断研究基盤(関連疾患約15,000例)を用いて、大規模候補遺伝子関連解析、罹患同胞対連鎖解析、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、ゲノムワイドDNAメチル化解析(EWAS)、により心筋梗塞(MI)、2型糖尿病(DM)、高血圧症、肥満の4大生活習慣病のリスクマーカーを同定し、従来の古典的リスクマーカーを統合したリスク診断アルゴリズムを構築し、地域住民(北名古屋ゲノム疫学研究(KING Study): 登録・面接調査および健診、検体サンプル採取:2005~2007年、登録時年齢:50 歳~75 歳、参加者:3,975名)を対象とした前向き疫学研究により検証する事である。 我々は、4大生活習慣病症例の内、1,337例にGWASを実施した。追跡調査中のKING Study参加者の2,055例にGWASを実施した。KING Study登録者で既にGWAS解析を実施している対象96例及び陳旧心筋梗塞192例を選択し、HumanMethylation450(illumina)を用いたゲノムワイドDNAメチル化解析を実施した。KING StudyではDMの基本病態である「インスリン抵抗性」の増大、或いは「インスリン感受性」低下に焦点を当て、レジスチンおよびアディポネクチン等のアディポサイトカインの血中濃度測定、それらを制御する遺伝子多型の解析を行ってきた。平成24年度は、炎症に関与するサイトカインの血中濃度測定を実施した。 臨床および検査結果を含む診療情報、生活習慣、遺伝子多型情報の集積に今後も努める。
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