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2013 年度 実績報告書

骨折リスク評価を基盤に関連疾患の同時対策を目指す男性骨粗鬆症コホート5年次追跡

研究課題

研究課題/領域番号 24390170
研究機関近畿大学

研究代表者

伊木 雅之  近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)

研究分担者 玉置 淳子  大阪医科大学, 医学部, 教授 (90326356)
佐藤 裕保  仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (10337115)
藤田 裕規  近畿大学, 医学部, 助教 (10330797)
車谷 典男  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10124877)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード骨粗鬆症 / 骨折 / リスク評価
研究概要

平成25年度はFORMEN研究の平成20年より追跡を開始した対象者837人について24年度と同内容の追跡調査、すなわち、胸腰椎のデジタル画像撮影、問診による新規症候的骨折の把握、問診による新規心血管疾患発症の把握、追跡時採血血清のオステオカルシンの測定等を実施した。ところが、死亡、転居、施設入所、長期入院などを除いて受診可能と判断された者は、477人であった。これを対象に上記調査を実施したが、受診者は122人にとどまった。そこで、未受診者を対象に訪問調査を実施し、新規症候的骨折と新規心血管疾患発症の把握を実施し、125人の回答を得た。
その結果、5年次追跡調査が実施できた者は1868人となり、追跡人年数は7986人年となった。これから骨粗鬆症性骨折は29件確認され、大腿骨近位部、椎体、前腕骨遠位部、上腕骨近位部のいわゆる主要骨粗鬆症性骨折は21件確認された。発生率は2.5/1000人年となった。
一方、ベースライン時点での骨折のリスク要因からWHO骨折リスク評価ツールFRAXを用いて予測骨折リスクを個人別に推定した。予測骨折リスクは観察骨折リスクと強く相関していた。予測骨折数は観察骨折数よりやや多かったが、有意差はなかった。予測骨折リスクによって骨折の発症予測をするROC分析では曲線下面積は0.671となり、FRAXのオリジナルモデルでの0.63を上回っていた。しかし、臨床場面で用いるにはなお改善が必要と考えられ、現在、各種骨代謝マーカー、ホモシステイン、高感度CRP、ペントシジン等を加え、より精度の高い骨折リスク評価モデルの確立を目指して解析を進めている。
さらに、椎体骨折発生リスク評価モデルを開発するために、既存椎体骨折の把握と新規骨折の診断を現在進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

追跡調査の受診率が予想を下回ったが、予定していなかった未受診者への訪問調査を実施することで、目的の受診率を達成することができた。椎体骨折の診断には全13椎体について、コンピュータ画面上で1椎体6点をポイントし、椎体高を計測するので、相当な時間がかかっているが、予想の範囲内である。

今後の研究の推進方策

主要骨粗鬆症性骨折のリスク予測モデルは、WHOのFRAXを核としてそれと独立した骨指標を追加することによってより精度の高い予測をめざす。これは順調に進んでいる。
椎体骨折のリスク予測モデルは、現在、椎体測定中で、これをできるだけ早く終わらせ、モデルの作成に移る予定である。
心血管疾患発症に対する既存椎体骨折、骨代謝の影響評価と機序の探索については、対象者の心血管疾患発症状況が電子化できたので、それを集計し、骨折、骨代謝との関係を分析する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度に予定していた24、25年度追跡調査の未受診者補完調査、すなわち、5年次調査未受診者について症候的骨折と心血管疾患発症の把握を目的とした調査を郵送+電話で行い、アウトカムを補完する調査を、調査受診後に死亡した対象者の受診から死亡までの間の上記アウトカムの発症を合わせて調査することとなり、その準備で25年度には実施しなかったため、これに支出を予定していた調査表印刷費、郵送費、電話代、人件費などが支出できなかった。
平成26年度に24、25年度追跡調査の未受診者補完調査を死亡者の調査と合わせて実施する。

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公開日: 2015-05-28  

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