研究課題/領域番号 |
24390175
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松本 博志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60263092)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アルコール / 自然免疫 / トール受容体 / TRIM21 / 骨頭壊死 |
研究概要 |
本年は、私たちが確立した大腿骨頭壊死モデルを中心に解析を進めた。ステロイド性大腿骨頭壊死モデルにおいては、IRF3およびIRF7の活性上昇とタイプ1のインターフェロンの上昇を認め、特に、N-アセチルシステイン、L-NAMEの処置群において顕著で、大腿骨頭壊死の発生に関与していることを見出した。そこで、IRF3およびIRF7の活性上昇に関与するものとして、Viperin、相対的な上昇に関与するタンパクとしてNF-kappaB活性化の上流プロテインカイネースであるIKKを阻害するTRIM21の関与が疑われたため、調べたところ、これらの著明な上昇が認められた。また、アルコール性脂肪性肝障害モデルにおける肝臓においても、進展過程において同様の機序が認められ、IRF3およびIRF7の活性上昇におけるタイプIのインターフェロンの上昇は臓器障害の進展に一致している可能性が示唆された。それについてはTRIM21の活性化やViperinが関与している可能性を見出した。NACおよびL-NAME処置群においては急死するものも多く、活性窒素種がその死亡に関与していることも見出した。いずれもプライマーとしてLPSを用いていることから自然免疫系の活性化による生体防御系に活性窒素種も関与していることは新たな知見である。また、アルコール離脱症モデルにおけるエピジェネティックな解析も進め、それにmicroRNAの関与も明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書どおりの進展であるものの、タンパクノックダウン系についての検討を推し進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
実施計画どおりに遂行する予定であるが、異動に伴い、初期の立ち上げを伴うため、年度前半は少し遅滞すると推測している。年度後半は前年度以上に研究のスピードを上げる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度については、年度途中で次年度への異動が決まったことにより、次年度の研究に対して立ち上げの費用も生じる事から経費を少し余らせた。次年度についてはこの研究が遂行できるよう整え、消耗品とともに、学会発表に関する旅費、論文校正料、論文投稿料、研究補助謝金等に使用する予定である。
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