研究課題
メタボリックシンドローム(MetS)の肝での表現型であるNAFLD/NASH は21 世紀の肝臓病とも呼ばれ、先進諸国で患者数が急増してい る。世界中で有効な予防法や治療法が研究されているが、いまだ有効な薬物は確立されていない。我々は、漢方薬や生薬は食に近く安 全に長期摂取が可能であり、MetS やNASH の予防的投与に最適な薬物と考えている。本研究では、独自に開発したMetS・NASH モデル マウスと生薬に含まれる種々の低分子化合物の 局在を細胞レベルで可視化できる新技術(質量顕微鏡)を応用し、動物モデルの各臓器における化合物・代謝産物の局在を明らかにするとともに、それら化合物が直接コンタクトしている標的細胞を同定し、薬剤の作用機序の解明を試みる。本年度は、従来のモデルよりも、よりヒトの病態に近いMetS/NASHモデル動物を開発した。このモデルを用いることで、これまでに検討ができなかった、肝線維化のメカニズムや肝発癌のメカニズム、さらに、糖尿病発症と肝発癌との相関のより詳細、かつ経時的な解析が可能となった。さらに、これら動物モデルの病理組織学データを同様の病態のヒト組織像と相関させ、スコア化によって半定量的に比較検討できる実験系を確立した。また、鉄をコアにしたナノ粒子のアシストによって低分子物質をイオン化し、マウス肝組織中で質量顕微鏡にてイメージング解析することに成功した。これらの新規動物モデルと質量分析による新たなイメージング法を組み合わせ、防已黄耆湯などの和漢薬やクロロゲン酸などのポリフェノール、コレステロールや各種胆汁酸成分等の作用機序の解明を試みるとともに、標的物質の局在や、周囲の免疫学的な微小環境を明らかにした。これらの解析結果は国内外の学会で報告するとともに、欧文誌に発表を行った(一部は現在論文作成中、あるいは投稿中)。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (23件) (うち査読あり 23件、 謝辞記載あり 23件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
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