研究課題/領域番号 |
24390182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
乾 明夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
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研究分担者 |
浅川 明弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (10452947)
伊東 祐二 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60223195)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 摂食障害 / 食欲調節ペプチド自己抗体 / メタボローム解析 |
研究概要 |
食欲調節ペプチド自己抗体症候群を明らかにすることが本研究の目的であった。 (1)神経性食欲不振症における食欲調節ペプチド自己抗体の精製、解析と構造決定 患者血中の食欲促進ペプチド(グレリン-神経ペプチドY(NPY)/アグーチ関連ペプチド(AgRP))や食欲抑制ペプチド(メラノコルチン(POMC)、ペプチドYY(PYY)、コレシストキニン(CCK)、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1))などの内、グレリンファミリーペプチド、POMCなどの自己抗体の存在を確認した。食欲調節ペプチド自己抗体はELISA法で同定し、IgA、IgG、IgM型に分別、精製し、その一部に関しては構造決定を進めている。食行動や情動・認知との関連に関しては、心理学的解析を中心に検討を行っている。メタボローム解析が少し遅れているが、今春より測定開始予定である。 (2)ストレス・悪液質モデル動物における食欲調節ペプチド自己抗体の解析 精製食欲調節ペプチド自己抗体を、マウスに腹腔内投与し、食欲・体重調節やエネルギー代謝、不安等の情動、認知・学習に及ぼす影響に関して解析を進めている。肥満モデルの自己抗体の研究は進展しており、現在Nature Communicationにリバイズ中であり、興味深い知見が得られている。悪液質モデル(吉田肝癌細胞株腹腔内移植)動物を用いて、食欲調節ペプチド自己抗体を同定する研究も進展している。 (3)マーモセットを用いた食欲調節ペプチド自己抗体の解析 マーモセットの食行動解析系は確立し、ペプチドリガントの作用を解析し、論文投稿準備中である。げっ歯類よりも、ヒトの食行動に近いパターンを示すことを確認している。 (4)新規ペプチド-受容体のクローニングと解析 アフィニティーカラムにグレリンファミリーを吸着させ、食欲調節に関わる新規ペプチド-受容体のクローニングを行っている。(734文字)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
食欲調節ペプチド自己抗体の同定とその病態生理学的意義に関する研究は、予想を上回る進捗状況であるが、メタボローム解析が少し遅れている。その理由は、メタボローム採血用の患者血清の採取の遅れと機器の更新および外注化のプロセスの遅れによるが、今春より鋭意進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今春より、大学院生をフランスルーエン大学に送り、食欲調節ペプチド自己抗体研究を一層加速させる予定である。
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