研究課題/領域番号 |
24390183
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小池 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80240703)
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研究分担者 |
森屋 恭爾 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00272550)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肝癌 / 肝炎ウイルス / 遺伝子変異 |
研究概要 |
HCV関連肝発癌モデルであるコア遺伝子Tgマウスを主に用いて研究を行なっている。本マウスではC型慢性肝炎患者肝臓と同じレベルのコア蛋白を肝臓で発現しており、組織学的な炎症不在の下に早期の肝脂肪化を経て肝細胞癌を発生する。この肝癌モデルマウスに、(1)肝特異的AID遺伝子発現マウスとのかけあわせ、(2)マウスAID遺伝子組替えアデノウイルスの接種、を行なって細胞遺伝子傷害を促進させ、肝発癌におけるウイルス因子との相互作用、相加・相乗作用について解析している。解析は、(1)酸化ストレス産生に対する両者の作用の解析、(2)microRNAを含む肝細胞遺伝子発現の包括的解析、(3)C型肝炎患者、HCVマウスモデルにおいて示してきた脂質代謝、糖代謝への影響の解析、(4)得られた解析データのC型慢性肝炎患者肝における確認である。H24年度は、マウスAID遺伝子をもつ組換えアデノウイルスの作製を行なった。組替え対照アデノウイルスも同時に作製した。組換えAIDアデノウイルスと対照アデノウイルスを対照正常マウスに接種し、肝臓におけるAID発現、炎症惹起、酸化ストレス産生を評価した。その後、対照マウスおよびHCVコア遺伝子Tgマウスに、組換えAIDアデノウイルスあるいは組替え対照アデノウイルスを腹腔内接種した。投与後のマウスの状態、血清ALT値、血清AFP値をフォローしながらマウスの観察を行なっている。 HCVコア蛋白とAIDを肝で発現するトリプル・トランスジェニックマウスの作製のため、2つのloxPに挟まれたGFP遺伝子を間にもつCAGプロモーター支配下AIDトランスジェニックマウスloxP GFP-AID-TgをアルブミンプロモーターCreトランスジェニックマウス(Alb-Cre Tg)と交配し、肝特異的AID発現ダブルトランスジェニックマウスを得つつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AIDを発現する組換えアデノウイルスを作製し、正常マウスへの接種実験を行なった。 現在、コア遺伝子トランスジェニックマウスおよび対照マウスへの接種・解析を行なっており、ほぼ予定通りに進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通りに進めて行く。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度の未使用額については、研究用消耗品やコア遺伝子トランスジェニックマウスおよび対照マウスへの接種・解析のために使用する予定で、当初計画に大きな変更はない。
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